好酸球について、なるべく感度の高い1次情報を調べられる限り調べた結果

好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)は、白血球の一種である顆粒球の1つである。正常な末梢血でみられるのは成熟型で、普通染色標本でみると、エオジン親和性の橙黄色に染まる均質・粗大な顆粒(好酸性顆粒)が細胞質に充満し、核は通常2分葉で細いクロマチン糸でつながれ細胞周縁に偏在し、細胞の大きさは好中球に比べてやや大きく、直径10~15μm。肥満細胞から出されるIL-5によって活性化する。
好酸球数は白血球の0.5~13%を占める。

好酸球 - Wikipedia

 

好酸球が増加する疾患

好酸球は、エオシンでピンク色に染まる好酸性顆粒を持ち、骨髄造血幹細胞からGM-CSF、IL-3、IL-5の刺激によって分化増殖し、血中、粘膜へ分布していく。特にIL-5の作用は好酸球に選択的に重要であり、実際、抗IL-5抗体(mepolizumab)投与により末梢血や喘息患者の喀痰中の好酸球は激減する。

血液中の好酸球は、血管内皮細胞のp-selectinを感知して血管壁を転がり(rolling)、好酸球表面のLFA-1、VLA-4を介してそれぞれ血管内皮細胞のICAM-1とVCAM-1に結合して血管壁へ接着し、血管内皮を通過する。さらに好酸球表面のケモカイン受容体CCR3を介してeotaxin、RANTES、MCP-4などの濃度勾配により病変局所へ遊走する。

好酸球はIL-5やGM-CSFなどによって活性化され、好酸球顆粒に存在するmajor basic protein(MBP)、マトリクスに存在するeosinophil cationic protein(ECP)などを放出する。これらは寄生虫障害作用を持つとともに、組織障害活性を持ち、好酸球による病態を形成する。また、好酸球からのleukotriene C4(LTC4)、LTB4、platelet activating factor(PAF)などの脂質メディエーター放出は、気道収縮や血管透過性亢進を促し病態を修飾する。

好酸球増多
好酸球の増加する疾患は、感染症、アレルギー、悪性腫瘍、原因不明のものなど多岐にわたり、自然寛解するものから重症なものまである。

好酸球数 /μl
500~1500 軽度増加
1500~5000 中等度増加
5000 高度増加
好酸球数が1500/μl以上で、好酸球増多症とする。特に2000/μl以上であると臓器障害を呈しやい。国立病院機構相模原病院からの報告では、頻度順に、薬剤性、固形腫瘍、皮膚疾患、血液腫瘍、気管支喘息好酸球性血管浮腫、Churg-Strauss症候群、好酸球性肺炎、アトピー性皮膚炎などが報告されているが、開発途上国では寄生虫感染症が最も多い。

感染症(とくに寄生虫感染症

アニサキス症、旋毛虫症、回虫症、鈎虫症、条虫症、フィラリア、肺吸虫症、日本住血吸虫などの寄生虫感染症開発途上国への渡航歴、有機農法野菜の摂取歴を問診する。猩紅熱,結核,ニューモシスティス肺炎などの感染症でも好酸球の増加を伴うことがある。

アレルギー疾患

薬剤アレルギー

末梢血好酸球が2000/μl以上の好酸球増加の原因として頻度が最も多いと報告されている。好酸球増加の場合、まず薬剤を疑うべきである。

気管支喘息

末梢血好酸球の軽度の増加、気道の好酸球浸潤や喀痰中の好酸球増加は、気管支喘息でみられる。同じ慢性閉塞性肺疾患COPD)では見られない。

アレルギー性鼻炎

鼻汁中の好酸球増多が見られるが、末梢血の好酸球は増加しないこともある。

リウマチ性疾患

好酸球性肉芽腫性多発血管炎: EGPA

気管支喘息アレルギー性鼻炎が先行。好酸球浸潤を伴う肉芽腫性血管炎。発熱、多発単神経炎(四肢の知覚・運動障害)、中枢神経障害、消化管穿孔、心血管系障害がみられる。血液検査では、炎症所見、好酸球増加、血小板数増加、血清IgE高値、MPO-ANCA(P-ANCA)陽性(42-70%)。尿中に好酸球がみられることがある。組織診断は、肺、下部消化管、腎、皮膚などで得られたと報告されているが、安全性から皮膚生検、下部消化管生検が推奨される。

結節性多発動脈炎: PAN

中型の動脈壁の炎症。血管炎による梗塞により多彩な臓器症状を呈する。

肉芽腫性多発血管炎: GPA

耳や鼻などの上気道、肺、腎臓の壊死性肉芽腫性血管炎。PR3-ANCA(C-ANCA)を検出することが多い。

血液疾患、悪性腫瘍に随伴するもの

好酸球増多症: Hypereosinophilic syndrome(HES)

1968年、Hardy&Andersonにより概念の提唱。1975年のChusidらの診断基準では、末梢血好酸球増加(1500/μl以上)が6ヶ月以上、寄生虫感染症・アレルギー・その他の疾患が除外され、好酸球浸潤による臓器障害(心、肺、中枢神経系、皮膚)がみられる場合にHESと診断される。心筋障害や弁膜症などの心病変は60%に認められ生命予後に影響する。肺病変は50%に認められるがレントゲン像は正常のことが多い。

異常なT細胞クローンによる好酸球増多症

異常なT細胞クローンがIL-5を過剰に発現し、好酸球が反応性に増加する。T細胞受容体遺伝子再構成を調べて、T細胞クロナリティを確認する。IgEの上昇やポリクローナルなIgG上昇がある。従来のHESの17~26%と報告され、独立した疾患概念となった。

慢性好酸球白血病: Chronic eosinophilic leukemia(CEL)

稀な単クローン性の好酸球増殖性疾患。骨髄や末梢で好酸球増加、臓器浸潤をきたす。PDGF-RA、PDGF-RB、FGFR1などのチロシンキナーゼ遺伝子に再構成が生じ、FIP1L1-PDGF-RA、5q33転座(PDGF-RB遺伝子異常)、8p11転座(FGFR1遺伝子異常)などの変異を生じていることがある。FIP1L1-PDGF-RA異常は、imatinib感受性が報告されている。従来のHESの10~20%とされ、独立した概念となった。遺伝子変異が検出されないものは、非特定型 (chronic eosinophilic leukemia, not otherwise specified: CEL-NOS)と分類される。

肥満細胞症

皮膚、肝臓、脾臓、骨髄、リンパ節などでの肥満細胞の増殖がみられ、2割で末梢好酸球の増加がみられる。

二次性腫瘍性好酸球増多症

T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ALL、肺癌,その他、特に転移・壊死を伴うもので好酸球増多がみられることがある。

臓器特異的な好酸球性疾患

呼吸器疾患

PIE症候群: Pulmonary infiltration of eosinophilia

肺に好酸球浸潤をきたし、末梢血での好酸球増多(6%以上あるいは400/uμl以上)を認める。原因不明(77%)、真菌(19%)、寄生虫(22%)、薬剤 (2%))。喫煙によるという報告もある。咳、喀痰、呼吸困難、発熱がみられる。

単純性肺好酸球症: 症状は軽度。無治療でも2週間以内に軽快することが多い。
急性好酸球性肺炎: 咳、発熱、呼吸困難、喘鳴が数日の単位で発症。胸水も高頻度でみられ、胸痛をしばしば伴う。喫煙開始と本症の発症との関連が言われている。気管支肺胞洗浄液で総細胞数の増加、好酸球の著増が認められる。血清TARCが高値になる。ステロイドに対する反応は良好。
慢性好酸球性肺炎: 急性好酸球性肺炎と異なり、胸水出現は少ない。再発しやすく臨床経過が長期。ステロイドに良好に反応するが、漸減中や中止後に再燃することが多く、6ヶ月以上の治療継続が必要。
急性好酸球性肺炎の診断基準(NEJM 1989)
項目
1. 7日以内の急性経過
2. 60mmHg以下の低酸素血症
3. 胸部レントゲンで両側びまん性浸潤陰影
4. BAL液中の好酸球が25%以上
5. 先行する肺を含めた全身性の感染症アトピー歴がない
6. ステロイドが著効する
7. 治療終了後に再発しない
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症: Allergic bronchopulmonary aspergillosis(ABPA)

アレルギー性気管支肺真菌症の大部分はAspergillus fumigatusである。米国では慢性喘息患者の1~2%。アスペルギルスに対するI型とIII型アレルギーが関与する。アレルゲンであるAsp f4、Asp f6に対するIgE抗体の測定が診断に有用とされる。

ABPAの診断基準(Greenberger 2003)
項目
1. 気管支喘息(必須)
2. 胸部X線で肺の浸潤影
3. アスペルギルスに対する即時型皮膚反応(プリックテスト、皮内テスト)(必須)
4. 血清総IgE値の上昇(必須)>1000ng/ml
5. アスペルギルスに対する沈降抗体(必須)
6. 末梢血好酸球増多
7. 血清抗アスペルギルスIgE抗体、抗アスペルギルスIgG抗体上昇
8. 中枢性気管支拡張症
皮膚と皮下組織疾患

アトピー性皮膚炎、

末梢血好酸球が増加する場合がある。

好酸球性血管性浮腫: Angioedema with eosinophilia

Gleich syndrome。1984年にGleichらにより報告された。好酸球増加に伴う四肢末梢の浮腫。再発するepisodic(EAE)と、再発しないnon-episodic(NEAE)がある。日本ではnon-episodicが主で、若年女性(20~37歳)に多い。血管性浮腫、蕁麻疹、IgM増加、発熱などを呈する。ステロイドに良く反応し良好な経過をたどる。自然寛解もある。

好酸球性筋膜炎

激しい運動や外傷をきっかけに、急速に四肢に対称性有痛性の筋膜炎が生じ発赤腫脹する。表皮や真皮は侵されない。病初期に末梢血の好酸球が増加する。

木村病

病名は木村哲二に由来する。頭頸部皮下の巨大(5~10cm)な良性の好酸球性肉芽腫で、東アジアの若い男性に多い。木村病より大きさの小さい好酸球性血管リンパ球増殖症は、人種差なく皮膚表面に近くに発生する。両疾患とも好酸球の増加を伴う。

その他

皮膚疾患として、 尋常性天疱瘡・水泡性類天疱瘡・好酸球性膿胞毛胞炎・乾癬・リンパ腫様丘疹など、胃腸疾患として、好酸球性胃腸炎・アレルギー性胃腸炎潰瘍性大腸炎・膵炎など、内分泌疾患として、副腎皮質機能低下症(アジソン病)・甲状腺機能亢進症などがある。

鑑別のすすめ方

薬剤性は頻度として多く、まず最初に疑う。薬剤の中止で経過をみる。
アレルギー性は、薬剤服用歴、アレルギー疾患の有無、食物の関連、季節性、住居環境、海外渡航歴などの問診が重要。肺炎があれば、アスペルギルス抗体などを測定する。
寄生虫検査、内分泌系(副腎、甲状腺)の精査
血液疾患や悪性腫瘍の鑑別。
参考文献

* 宮本昭正/監修 臨床アレルギー学 改訂第3版 南江堂
* 仲地真一郎、猪熊茂子、浅島弘充、松尾佳美、六反田諒、与那嶺朝樹、他 好酸球増多の程度と病態 アレルギー59;1364 2010
* 松尾佳美、猪熊茂子 Idiopathic Hypereosinophilic Syndrome (idiopathic HES) アレルギー 60(1);1-8 2011
* JN Allen et al. Acute Eosinophilic Pneumonia as a Reversible Cause of Noninfectious Respiratory Failure. N Eng J Med 321;569-574 1989
* PA Greenberger. Clinical aspects of allergic bronchopulmonary aspergillosis. Frontiers in Biosciences 8;s119-127 2003
* 鈴木澤尚美 アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss syndrome) アレルギー60(2);145-155 2011
* 中込一之、永田真 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症好酸球性肺炎 アレルギー60(2);156-165 2011

好酸球が増加する疾患|大阪大学 免疫内科

 

好酸球(こうさんきゅう)が基準値より高いとアレルギーの疑い
好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)は、白血球の一種類であり血球細胞の1つで顆粒を生成する事が出来る事から顆粒球とも呼ばれます。核は通常2分葉で細いクロマチン糸でつながれ細胞周縁に偏在し、細胞の大きさは好中球に比べてやや大きく、直径10~15μm程度です。健康な人の血液には、1マイクロリットル当たり好酸球数が100〜500程度あり、血液中の白血球の約7%未満と言われております。好酸球は、ある種の寄生虫に対して体を守る免疫機能を担っていますが、一方で、アレルギー(抗原抗体反応)による炎症の一因にもなります。好酸球とアレルギーについては後ほど説明します。好酸球数が増加する好酸球増加症は、異常な細胞、寄生虫、アレルギー反応を起こす物質(アレルゲン)などに対する生体反応の現れです。好酸球数が低下する好酸球減少症は、クッシング症候群やストレス反応によって起こりますが、その機能は他の免疫系によって補われるため、通常は問題を引き起こしません。

好酸球寄生虫から体を守る一方、アレルギーの原因

白血球の種類(写真)
好酸球について、色々な研究も進み分かった事も多いですが、未だに分からない事もまだまだあります。好酸球は、1879年に名づけられた白血球の一種です。好酸球はアレルギーとの関連性がある事は有名な話でありますが、寄生虫から体を守る為にも重要な働きをしている事もわかっています。気管支喘息などでは、炎症を起こしている部分に好酸球が集まり、集まった好酸球から多くの分泌物を出す事によって喘息が発症している事が分かっています。好酸球から出る顆粒と言われる物質は強い殺菌効果があり、強い炎症を引き起こし炎症部分の細胞を死滅させ、さらに好酸球が炎症部分を攻撃すると細胞が線維化し本来の機能を失ったりもいたします。好酸球を活性化させ増殖させる因子としては、サイトカインのインターロイキン5という物質があります。何かしらの原因の原因により、インターロイキン5が大量に分泌されると好酸球が活性化されます。これは他の病気の治療で使われる薬で活性化される(副作用)ものがあります。みなさんがご存じなステロイド(糖質コルチコイド)があります。 好酸球(写真)
好酸球の特徴とアレルギーの原因
好酸球には、弱いが貪食殺菌作用があり、寄生虫幼虫の殺菌、抗原抗体複合物の処理にあずかっています。また、アレルギー反応に際し、肥満細胞から放出される好酸球走化因子により引き寄せられます。
アレルギー性炎症局所に集まり、炎症の遅発反応に与えます。
好中球より寿命は、長く高度の浸潤があると組織障害を起こします。
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質ステロイドコルチゾール)にはリンパ球や好酸球を減少させる働きがあります。

好酸球は白血球百分率で1~5%が基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
好酸球(eosinophils ) EOS-C,EOSIN-C 1~5%
(白血球百分率)
好酸球の検査結果の判定

好酸球の検査基準値と高値、低値で見られる疾患
範囲 白血球百分率
上昇が認められる範囲 潰瘍性大腸炎、肉芽腫性疾患、結節性多発動脈炎、皮膚疾患、 ニューモシスチス肺炎、慢性骨髄増殖症候群、悪性関節リウマチ、好酸球肺浸潤症候群、結核、 Addison病、 アレルギー疾患、 寄生虫疾患アレルギー疾患,
寄生虫疾患
 基準値(正常の範囲) 1 ~ 5%
(100~300個/μl)
低下が認められる範囲 下垂体機能亢進症、 急性心筋梗塞、 ストレス、 急性炎症、 急性感染症、 副腎皮質機能亢進症急性感染症
好酸球数が1500/μl以上の状態を、好酸球増多症といいます。また、2000/μl以上であると臓器障害を起こしやすいです。国立病院機構相模原病院からの報告では、頻度順に、薬剤性、固形腫瘍、皮膚疾患、血液腫瘍、気管支喘息好酸球性血管浮腫、Churg-Strauss症候群、好酸球性肺炎、アトピー性皮膚炎などが報告されているが、開発途上国では寄生虫感染症が最も多いです。

好酸球が増加する疾患

寄生虫感染症

寄生虫アニサキス症、回虫症、鈎虫症、条虫症、フィラリアなど)の感染症が中心です。問診の内容として開発途上国への渡航歴、有機農法を活用した野菜の摂取などが行われます。尚、寄生虫感染の他の感染症として、猩紅熱,結核,ニューモシスティス肺炎等においても好酸球の上昇がみられます。

アレルギー疾患

薬剤アレルギー:好酸球増加が見られた場合、まず薬剤による影響を疑います。薬剤が原因とする好酸球増加特に、末梢血好酸球が2000/μl異常の好酸球の増加として最も頻度が高いという報告があります。気管支喘息においては、末梢血好酸球の軽度の増加がみられます。また、気道の好酸球浸潤や喀痰中の好酸球増加も見られます。尚、慢性閉塞性肺疾患においては同様の事は見られません。アレルギー性鼻炎では、鼻腔中の好酸球の増加は見られますが、末梢血好酸球において異常が見られない事がしばしばあります。

リウマチ性疾患

リウマチは、好酸球浸潤を伴う肉芽腫性血管炎で、発熱を始め、多発単神経炎(四肢の知覚や運動に障害が起きます)、消化管穿孔、心血管系障害等が見られます。血液検査では、CRP好酸球、血小板、血清IgE等が増加します。また、組織診断が行われ肺や腎、消化管などから組織を採取するケースもありますが、安全性の観点から皮膚生検や下部消化管生検が推奨されています。リウマチには、結節性多発動脈炎(PAN)と肉芽腫性多発血管炎(GPA)があります。結節性多発動脈炎(PAN)は、動脈血管壁の炎症を引き起こします。この炎症により梗塞を引き起こし様々な臓器症状を呈します。一方、肉芽腫性多発血管炎(GPA)は、壊死性肉芽腫性血管炎が特に耳や鼻などの上気道、肺、腎臓などにおいておきます。PR3-ANCA(C-ANCA)の検査を実施します。

特発性好酸球増加症候群

特発性好酸球増加症候群は、特に原因がないのに血液中の好酸球数の値が6ヶ月以上1500個/μl以上に上昇します。50代以上の男性に比較的多うが、どの年齢層でも発症はいたします。好酸球の値が高い状態が続きますと心臓、肺、肝臓、皮膚、神経系の組織を損傷されます。心臓に炎症が起こり、その結果、血栓ができたり、心不全、心臓発作、心臓弁の機能不全になる事があります。特発性好酸球増加症候群は血液検査で好酸球を調べる事でわかりますが、体重減少、発熱、寝汗、疲労、せき、胸痛、浮腫、胃痛、皮膚の発疹、痛み、衰弱、錯乱、昏睡(こんすい)などの症状もあります。また好酸球が増加し組織を損傷し炎症した臓器や組織によっても症状はかわりますので注意が必要です。これらの症状があり、好酸球数が多い状態が続いている場合は、特発性好酸球増加症候群が疑われます。好酸球増加の原因が寄生虫感染やアレルギー反応、その他の病気でないことが確認されると診断が確定します。治療をしないと、患者の80%以上が2年以内に死亡してしまう恐ろしい病気です。治療をした場合の生存率は80%以上ですので早期発見、早期治療をお勧めします。

血液疾患や悪性腫瘍によるもの 

好酸球増多症(HES)は、寄生虫感染症やアレルギーなどの疾患は除外され、好酸球浸潤による多臓器障害(心臓、肺、中枢神経、皮膚など)の所見が見られた場合に好酸球増多症(HES)と診断されます。特に、心臓疾患として心筋障害や弁膜症等は60%に見られ生命予後に大きな影響を残します。また、異常なT細胞クローンによる好酸球増多症もあります。これは、異常なT細胞クローンがIL-5(インターロイキン:サイトカインの一種)を過剰産生し、好酸球が反射的にに増加します。それに伴い、IgEやIgGが上昇します。それ以外に主に骨髄や末梢で好酸球が増加し臓器浸潤をきたす慢性好酸球白血病(CEL)や皮膚、肝臓、脾臓、骨髄、リンパ節等において肥満細胞の増殖と末梢好酸球の増加がみられる肥満細胞症や二次性腫瘍性好酸球増多症(T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、肺癌,その他、特に転移・壊死を伴うもので好酸球増多)などがあります。

呼吸疾患によるもの 

好酸球性肺炎(PIE症候群)は、肺に好酸球浸潤をきたし、末梢血での好酸球増加(6%以上or400/μl以上)を認めます。原因別では、不明:77%、真菌:19%、寄生虫:22%、薬剤:2%、その他の原因として喫煙が起因となりうるとの報告もあります。症状は、咳、喀痰、呼吸困難、発熱がみられます。単純性肺好酸球症は、症状は軽く無治療でも2週間以内に軽快することが多いです。慢性好酸球性肺炎は、胸水は少ないが、再発しやすく臨床経過が長期に亘る事がしばしば。ステロイドによる効果は良好ですが、漸減中や中止後に再燃することが多いため、6ヶ月以上の治療継続が必要となります。一方、急性好酸球性肺炎の症状は、咳、発熱、呼吸困難、喘鳴などが数日間続きます。また、胸水も高頻度でみられ、胸痛をしばしば伴います。喫煙との関連も発症起因となりうるとの報告もあります。気管支肺胞洗浄液で総細胞数の増加、好酸球の著増が認められます。血清TARCが高値になります。ステロイドに対する効果は良好。急性好酸球性肺炎の診断基準は次のとおり。

    1. 7日以内の急性経過
    2. 60mmHg以下の低酸素血症
    3. 胸部レントゲンで両側びまん性浸潤陰影
    4. BAL液中の好酸球が25%以上
    5. 先行する肺を含めた全身性の感染症アトピー歴がない
    6. ステロイドが著効する
    7. 治療終了後に再発しない

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)とは、アレルギー性気管支肺真菌症の大部分はAspergillus fumigatus(コウジカビの一種)です。アスペルギルスに対するI型とIII型アレルギーが関与します。アレルゲンであるAsp f4、Asp f6に対するIgE抗体の測定が診断に有用とされています。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の診断基準は次のとおり。     1. 気管支喘息(必須)
    2. 胸部X線で肺の浸潤影
    3. アスペルギルスに対する即時型皮膚反応(プリックテスト、皮内テスト)(必須)
    4. 血清総IgE値の上昇(必須)>1000ng/ml
    5. アスペルギルスに対する沈降抗体(必須)
    6. 末梢血好酸球増多
    7. 血清抗アスペルギルスIgE抗体、抗アスペルギルスIgG抗体上昇
呼吸疾患によるもの 

アトピー性皮膚炎でも末梢血好酸球が増加する場合があります。好酸球性血管性浮腫は、好酸球増加に伴う四肢末梢の浮腫をいいます。再発する好酸球性血管性浮腫(EAE)と、再発しない好酸球性血管性浮腫(NEAE)があります。日本においては好酸球性血管性浮腫(NEAE)が主で、若年女性(20~37歳)に多いのが特徴です。血管性浮腫、蕁麻疹、IgM増加、発熱などを呈する。ステロイドに良く反応し良好な経過をたどる。自然寛解もります。好酸球性血管性浮腫以外にも激しい運動や外傷をきっかけに、急速に四肢に対称性有痛性の筋膜炎が生じ発赤腫脹し、病初期に末梢血の好酸球が増加する好酸球性筋膜炎や頭頸部皮下の巨大(5~10cm)な良性の好酸球性肉芽腫で、東アジアの若い男性に多い。木村病より大きさの小さい好酸球性血管リンパ球増殖症は、人種差なく皮膚表面に近くに発生する木村病(木村哲二に由来)があります。

blood.e840.net

 

好酸球は顆粒から特殊な蛋白を放出して寄生虫やその虫卵を傷害したり、喘息や薬物アレルギーなどのアレルギー反応を引き起こします。
関連する疾患(好酸球の増加)転移がんや慢性骨髄性白血病、ホジキン病などの腫瘍、結節性動脈炎

白血球 好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球

 

好酸球増多疾患

 好酸球は白血球の一種であり、末梢血中の好酸球が増加する病気はアレルギー疾患、寄生虫感染症、悪性腫瘍など多岐にわたり、自然の寛解するものから予後不良のものまであります。

A. 寄生虫感染症
 回虫症、条虫症などの寄生虫感染症に伴い好酸球は増加します。開発途上国への渡航歴、生肉、有機農法野菜などの摂取歴を確認します。

B. 薬剤アレルギー
 薬剤アレルギーは末梢血好酸球増多の原因として高頻度であり、疑わしき薬剤があれば中止します。

C. 気管支喘息
 喘息では高度の好酸球増加を伴うことは稀なため、もし喘息患者に高度の末梢血好酸球増加を認めた際にはアレルギー性気管支肺アスペルギルス症好酸球性肉芽腫性血管炎に注意する必要があります。

D. 好酸球性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)
 気管支喘息が先行し、末梢血好酸球増多とともに血管炎を生じる疾患であり、発熱、多発単神経炎(足のしびれ、麻痺など)、皮疹、中枢神経障害、消化管穿孔、腎障害などを認めます。血液検査では炎症反応陽性、好酸球の著しい増多、MPO-ANCA陽性 (約50%)、血清IgE高値を認めます。

E. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 (allergic bronchopulmonary aspergillosis: ABPA)
 アスペルギルスに対するアレルギー反応が発症に関与しています。高度の好酸球増多と中枢性気管支拡張を認めます。アスペルギルスに対するIgE抗体とIgG抗体が検出されます。

F. 好酸球性血管浮腫 (angioedema associated with eosinophilia)
 四肢に限局した浮腫を認めます。著明な末梢血好酸球増多にも関わらず臓器障害を伴わない疾患で、若年女性に多く、再発するepisodic型と再発しないnon-episodic型があります。日本ではnon-episodic型が多いとされています。2-8週で自然軽快傾向を認めるため無治療で経過観察することが多いですが、症状が強い場合には少—中等量のステロイドを投与します。

G. 特発性好酸球増多症
 特発性好酸球増多症は、1)末梢血好酸球増多(1500/ul以上)が6ヶ月以上持続し(または、好酸球増多による臓器障害により6ヶ月以内に致死的となり)、2) 二次性好酸球増多症が否定され、3)好酸球浸潤による臓器障害(心臓、中枢神経、皮膚など)を伴う状態と定義されています。近年、その原因の一部が明らかとなり、それに基づき分類と治療法が確立されつつあります。

1. 骨髄増殖疾患性好酸球増多症/慢性好酸球白血病

受容体型チロシンキナーゼPDGFRαの恒常的な活性化が病態に関与しています。

2. 異常なT細胞クローン増殖による好酸球増多症

増殖した異常T細胞クローンがサイトカイン(IL-5)を産生し、反応性に好酸球が増えます。

3. 単臓器障害を伴う好酸球増多症

好酸球性胃腸症など、単臓器障害を伴う好酸球増多症。

H. 好酸球性筋膜炎
 激しい運動を契機に四肢に対称性有痛性の筋膜炎が生じる疾患です。皮膚は強皮症様の所見を呈します。

I. その他
PIE症候群、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、天疱瘡などの皮膚疾患、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、肺癌などの悪性疾患に伴って好酸球が増加することがあります。

www.m.chiba-u.jp

 

好酸球 コウサンキュウ
デジタル大辞泉の解説

こうさん‐きゅう〔カウサンキウ〕【好酸球


白血球の一。細胞内にある顆粒(かりゅう)が酸性色素に赤く染まるもの。アレルギー性疾患や寄生虫症などの際には増加する。好酸性白血球。

kotobank.jp

 

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)
こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう
病気の解説
(一般利用者向け)診断・治療指針
(医療従事者向け)FAQ
(よくある質問と回答)
(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)
1.「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」とはどのような病気ですか
気管支喘息アレルギー性鼻炎をもっているヒトに、白血球の一種である好酸球が非常に増加して、種々の臓器の中にある細い血管に炎症(血管炎)を起こし、血液の流れが悪くなって種々の臓器の障害を生じる病気です。早期に治療を行うと血管炎は改善しますが、末梢神経の障害によるしびれなどの症状は長く残ることがあります。また、治療を弱めたり中止したりすると、しばしば再発しますので、慎重な観察が必要です。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?
日本で現在医療機関を受診し治療を受けている患者数は、およそ1900人と推定されています。年間新規患者数は、約100人と推定されています。
3. この病気はどのような人に多いのですか?
40~70歳に好発し、実際の患者の平均年齢は55歳くらいです。男女比は1:1.7でやや女性に多い病気です。アレルギー疾患(ほとんどが気管支喘息、時にアレルギー性鼻炎)を持っている方に発症します。アレルギー疾患は治療に難渋している場合が多く、経過中に血液中に好酸球の増加がみられます。これらの症状を数年間繰り返した後に、血管炎が発症します。
4. この病気の原因はわかっているのですか?
原因は不明ですが、なんらかのアレルギー反応によって生じると考えられています。また、ある種の薬剤により病気が誘発されることもあると言われていますが、因果関係は証明されていません。
白血球の一種である好中球に対する抗体(抗好中球細胞質抗体:MPO-ANCA)が約50%の患者にみられ、これが病因に関与していると考えれていますが、なぜこのような抗体が出来るのかは分かっていません。
5. この病気は遺伝するのですか?
家族内発症をほとんど認めませんので、遺伝的要素はほとんどないと考えられます。
6. この病気ではどのような症状がおきますか?
もともとあった気管支喘息が悪化して発作の回数や強さが増します。全身の血管の炎症によって体重減少、発熱などがしばしば見られます。血管炎による末梢神経障害によって手足のしびれや麻痺(動きが悪くなる)がでたり、皮膚の血管炎による出血班(紫斑)などの皮疹、腸の血管炎による腹痛、消化管の出血や穿孔、脳や心臓の血管炎による脳出血・脳硬塞、心筋梗塞、などもあります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか?
一般的にはステロイド薬で治療します。プレドニゾロン30 -60 mg/日で治療を行ない、症状が改善したら漸次減らしていきます。一年間以上の長期にわたり治療する必要があります。早期に治療を中止すると、再発をきたしますので注意が必要です。また、脳・心臓・腸などの重要な臓器に病変がある場合には、しばしば免疫抑制薬のエンドキサン(50 -100mg/日)を併用して治療します。
また2010年1月から、上記の治療だけであまり改善しない神経障害に対して、高用量ガンマグロブリン療法が保険適用になりました。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか?
ほとんど(90%以上)の症例は、適切な治療によって軽快します。少数(10%未満)で、脳出血・脳硬塞や心筋梗塞、腸穿孔、重症腎炎を生じ、麻痺や腎不全、視力低下を残すことがありますが、死亡に至るのは1%程度です。
一度軽快しても、治療を緩めると再発することがありますので、治療は長年続けることになる場合が多いですが、一部の症例(10%以下?)では治療を中止できることもあります。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか?
特別にこの病気のための日常での注意事項はありません。主治医の指示に従って処方されたステロイドなどの薬剤をきちんと服用し、定期的に必要な検査を受けていればよいと思います。

難病情報センター | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)

 

こうさん きゅう かうさんきう [3] 【好酸球
白血球の一。細胞質中に酸性色素によく染まる顆粒をもち,アレルギー性疾患や寄生虫病のときに数が増す。好酸性白血球。

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好酸球
目的 検査 結果 リスク 準備 経過観察
概要
白血球は、身体の免疫系の重要な一部です。白血球は、細菌や寄生虫の侵入から身体を保護するために不可欠です。身体には、5種類の白血球があって、その全部が骨髄で作られています。

それぞれの白血球は、3日〜4日生きていて、その後 、新しい白血球に取り替えられます。白血球細胞数および患者の身体にどのような型の白血球があるのかを知ることにより、 医師は、その患者の健康についてより良い理解を得ることができます。患者の血液中の白血球のレベルの上昇は、その患者が疾患に苦しんでいることを示す良い指標です。これは、身体が感染症を撃退するために、ますます多くの白血球を送り出していることを意味しています。

好酸球数は、身体の中の好酸球(白血球の一種)の量を測定する血液検査の一種です。一般的に、好酸球数は、診断を下すためではなく、診断を確定するためにされます。アメリカン・アソシエーション・オブ・クリニカル・ケミストリー(American Association of Clinical Chemistry)によると、好酸球は、特に、寄生虫とアレルギー反応(AACC、2012年)によって引き起こされる感染症に対する免疫応答に関与していると報告されています(AACC , 2012)。

好酸球は、免疫システムにおいて、2つの異なる機能を果たしています。第一に、ウイルス、細菌、または、ジアルジアや蟯虫などの寄生虫など、侵入してくる病原体を破壊します。好酸球はまた、炎症反応を起こします。

炎症は、良くもあり、また悪くもあります。炎症は、感染部位における免疫応答を分離し制御するのに役立ちますが、炎症はまた、その感染部位の周りの組織に損傷を与えます。アレルギーは、多くの場合、慢性的な炎症を伴う免疫応答です。好酸球は、アレルギーや喘息に関連する炎症において、重要な役割を果たしています。

目的

目的
患者が血液百分率検査を既に受けており、その結果が異常であった​​場合、医師は好酸球数を勧めることがあります。血液百分率検査は、血液中に存在する白血球の種類ごとの百分率を調べます。血球数が異常に高いかあるいは異常に低い場合、さらに様々な疾患に伴って起こる異常な細胞がある場合は、この検査で、示されます。

医師はまた、以下に示す特定の疾患または病態の診断を確定するために、この検査を指示することがあります:

極端なアレルギー反応
クッシング病の初期段階(ステロイドホルモンのコルチゾールが過多であるために引き起こされる疾患)
寄生虫感染
検査

検査
医師は、腕から血液のサンプルを取る必要があります。まず、採血箇所を、消毒用アルコールに浸した綿棒で洗浄します。次に、針を静脈に挿入し、付属チューブを血液で満たします。血液を十分に抜いたら、針を除去し、採血箇所をガーゼで覆います。血液サンプルは、分析のために臨床検査室に送られます。

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結果

結果
正常な結果
正常な血液サンプルの測定値は、好酸球細胞数が、血液の1マイクロリットル当たり350未満です。

異常な結果
好酸球数(好酸球増加として知られている疾患) は、次のいずれかが原因で発生します。

寄生虫へのアレルギー反応
自己免疫疾患
湿疹
ぜん息
季節性アレルギー
白血病
潰瘍性大腸炎
猩紅熱 

ループス
クローン病
異常に低い好酸球数は、アルコールやコルチゾール(体内で自然に生成されステロイド)の過剰生産によって起こった中毒によって引き起こされた場合があります。

リスク

リスク
好酸球数は、あなたはおそらくあなたの生活の中で何回も持っていた標準的な採血を、使用して実行されます。

他の血液検査と同じように、針の穿刺部位に軽度のあざができるという最小限のリスクがあります。まれに、採血後、静脈が腫れ上がることがあります。静脈炎として知られているこの病態は、毎日温湿布を複数回取り替えることにより、治療します。

出血性疾患がある場合、あるいはワルファリン(クマジン)やアスピリンなどの血液を薄くする薬剤を服用している場合は、過度の出血が問題になる可能性があります。


準備

準備
この検査のために必要な特別の準備はありません。ワルファリン(クマジン)などの抗凝血薬を服用している場合は、医師にその旨を伝える必要があります。医師は、ある種の薬剤の服用を中止することを勧めるかもしれません。

好酸球数を増加させる可能性がある薬剤には、以下が含まれます:

食欲抑制剤
インターフェロン(感染を治療するために使用される薬剤)
ある種の抗生物質
オオバコを含む緩下剤
精神安定剤
検査の前に、現在服用している薬剤について、必ず医師に報告してください。

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経過観察

経過観察
アレルギーや寄生虫感染症がある場合、医師は、症状を緩和し、白血球数を正常な状態に戻すため、短期的な治療を処方します。

自己免疫疾患が示唆された場合、医師は患者が罹患している疾患の種類を判別するために、多くの検査を実施することがあります。医師は、その後、コルチコステロイドを処方することがあります。

ja.healthline.com

 

インターロイキン12(IL-12)の役割と花粉症との関係について医療機関の1次ソースで調べた

 

インターロイキン-12(英: Interleukin-12, IL-12)は、インターロイキングループのサイトカインの一つである。 IL-12p70は二つのサブユニット、IL-12p35とIL-12p40からなるヘテロ二量体で、主に食細胞と樹状細胞で産生される[1]。IL-12は1989年に初めて発見されたNK細胞刺激因子である[1]。IL-12は未分化なT細胞(ナイーブT細胞)に、インターフェロンγとともにはたらき、Th1細胞へと分化誘導する[2]。NK細胞とT細胞に発現するヘテロ二量体レセプター、IL-12Rβ1およびIL-12Rβ2に結合する[1]。

インターロイキン-12 - Wikipedia

 

インターロイキン-12(Interleukin-12:IL-12)

インターロイキン-12(IL-12)は、当初"NK細胞刺激因子"の名称で報告されたように、NK細胞に対する著明な活性化作用を特徴とするサイトカインである。IL-12は、75kDaの糖蛋白で、互いに相同性のない2つのサブユニットがS-S結合して構成された二量体として生物活性を発揮する。因みに両サブユニットの一次構造を解析した結果によれば、低分子サブユニット(p35)はIL-6やG-CSFに、高分子サブユニット(p40)はIL-6レセプターの細胞外ドメインに相同性を有しており、IL-12が"サイトカイン/可溶性レセプター複合体"に由来する可能性が示唆されている。
IL-12はB細胞および単球系細胞より産生され、T細胞やNK細胞に対して細胞増殖の促進、細胞傷害活性誘導、IFN-γ産生誘導、LAK細胞誘導などの作用を示す。こうした細胞性免疫機能への役割から、IL-12には感染防御や抗癌療法、免疫不全症の改善における臨床応用が期待されている。例えば、HIV感染患者の末梢血リンパ球におけるIL-12産生、IFN-γ産生あるいはNK細胞活性はいずれも有意に低下しているが、IL-12の投与によってこれらを健常者と同程度までに増強することが可能であるという。

インターロイキン-12(Interleukin-12:IL-12) | 研究検査の受託ご案内と解説 | 臨床検査のLSIメディエンス

 

インターロイキン12
同義/類義語:ナチュラルキラー細胞刺激因子
英訳・(英)同義/類義語:interleukin 12, IL-12

B細胞や樹状細胞が分泌するサイトカインで、未感作T細胞に作用してTH1細胞への分化を抑制すると共にTH2細胞への分化を促進する。また、ナチュラルキラー細胞に作用して活性化する。

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IL-1とIL-12、T細胞の活性化
ヘルパーT細胞たち(Th1,Th2)の親に当たるのがTh0(ヘルパーT細胞0型)になるのですが、親である Th0が子供であるTh1とTh2に分かれる(分化)には、それぞれ別のシグナルが必要です。

この分化に関与するのがさきほどマクロファージが出していたIL-1やらIL-12となるわけです。

分化したTh1とTh2はこれまたサイトカイン(免疫調節物質)を放出します。ここら辺からこんがらがってくると 思います。整理しながら読み進めてください。

IL-1はTh1、Th2を活性化することでこれらが産生するサイトカイン遊離を促進する作用と脳内視床下部にて PGE2(プロスタグランジンE2)の合成を促進します。PGE2はIL-4とともにTh0からTh2への分化を促進します。
IL-12はNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化し、 IFN-γ(インターフェロンガンマ)の産生を促します。そして、そのIFN-γとともにTh0からTh1への分化を促進します。

また、IFN-γはマクロファージの力を増強します。これによりマクロファージは活性酸素を使い攻撃し始めます。

Th1とTh2
マクロファージによって出されたSOS(IL-1、IL-12)によって分化したヘルパーT細胞は、これまたSOSを 出します。というのはヘルパーT細胞自身はアレルゲンと戦うことができないからです。

言うなれば、ヘルパーT細胞 はヘルプする、つまり司令塔として他の細胞を助けるということです。
ステロイドはIL-2の産生を抑制します。プロトピックはIL-2、IL-4,5,6、IFN-γを抑制します。Th2サイトカイン阻害薬(アイピーディ)は IL-4,5の産生を抑制します。

kanri.nkdesk.com

 

Th細胞(ヘルパーT細胞)の分化とWSX-1

「2.ITAM受容体とNF-kBによる免疫反応の制御」へ

 


CD4陽性のT細胞が抗原を認識すると、Th1あるいはTh2と呼ばれる二つの異なる細胞集団に分化していきます(図1)。Th1細胞は主としてIFN-γを産生し、マクロファージの活性化を介して細胞内寄生病原体の排除などに当たります。Th2細胞は、IL-4を産生し抗体産生を制御しています。
この分化には、サイトカインが重要な役割を果たしており、IL-12がTh1への分化を、またIL-4がTh2への分化を誘導します。

最近になって、IL-12と相同性を持つサイトカイン、IL-23,IL-27とその受容体が同定され、IL-12がファミリーを形成することがわかってきました(図2)。さらに、我々を含めたいくつかのグループの解析により、これらのサイトカイン(受容体)に機能の違いがあることが明らかになってきました。すなわち、IL-27はTh1細胞の分化の初期に作用し、IL-12がTh1細胞の増殖と維持にあたり、そしてIL-23がメモリーTh1細胞の増殖を誘導する、というものです。

我々がノックアウトマウスを作成し解析してきたWSX-1は、IL-27の受容体と考えられており、欠損することによりIFN-γ産生が低下し、寄生虫Leishmania majorに対する感染抵抗性が低下します。
さらに、新しくわかってきたことは、WSX-1には炎症を抑制する作用もあるということです。WSX-1欠損マウス(図3、KO)では、ある種の感染により、炎症に関連するサイトカインの過剰産生が生じ、致死的な肝炎が生じます。

 
IL-27やWSX-1のシグナルをうまく制御することにより、感染や自己免疫疾患、炎症性疾患の新しい治療法が得られることが期待されます。

我々は、WSX-1ノックアウトマウスや関連遺伝子ノックアウトマウスの作成と解析を通じて、感染や自己免疫疾患におけるIL-12ファミリーメンバーの役割の解明を目指し、さらに得られた結果を基に疾患を制御する方法を得ることを目指しています。

IL-12と関連サイトカイン

 

(2) IL-12とIL-23について
IL-12(p40/p35)は、1989年にTrinchieri(Genetics Institute)らのグループによりNK細胞を活性化する因子(natural killer-stimulating factor: NKSF)として、そして、1990年にGately(Roche)らのグループにより細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化する因子(cytotoxic lymphocyte maturation factor: CLMF)として同定されました。IL-12は、感染に対する防御免疫や腫瘍免疫の誘導に重要なIFN-γを産生しTh1反応の誘導に必須のサイトカインです。その後、1997年にEpstein-Barr(EB)ウイルス感染で発現誘導される分子Epstein-Barr virus-induced gene 3 (EBI3)が、IL-12のサブユニットの1つp35と会合していることが報告されましたが、その機能は不明のままでした(PNAS 94, 12041, 1997)。IL-12が同定されてから約10年後の2000年になって、Kastelein(DNAX)らのグループによりゲノムのデータベースのホモロジー検索よりp35に相同性を有するp19分子が同定され、これがIL-12のサブユニットの1つp40と会合し、新しいサイトカインIL-23であることがわかりました(Immunity 13, 715, 2000)。それまではp40に対する抗体やp40遺伝子欠損マウスを用いてIL-12 (p40/p35)が実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)やコラーゲン誘導関節炎(CIA)などの組織特異的な自己免疫病の発症に関与していると考えられていましたが、Cua(DNAX)らにより、実はこのような組織特異的自己免疫の発症はp40を共有するIL-23によることが明らかになりました(Nature 421, 744, 2003)。これが、その後のIL-17を産生する新しい炎症性のTh17細胞の発見につながる大きなブレークスルーとなりました。

東京医科大学・難病治療研究センター

 

 

 

ヘルパーT細胞について、医療系1次ソースを参考に超わかりやすく解説

 

参考サイト

ヘルパーT細胞 ヘルパーティーさいぼうhelper T cell
翻訳|helper T cell
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヘルパーT細胞
ヘルパーティーさいぼう
helper T cell


抗原で刺激されたB細胞に作用して,B細胞の抗体産生細胞への分化を補助するT細胞。生体内で免疫反応を行なうリンパ球は複数の細胞種より成るが,未分化なB細胞が抗体産生能を持つためには,特異抗原で刺激された後にT細胞からシグナルが伝達されなければならない。ヘルパーT細胞は,マクロファージが提示する抗原により活性化し,インターロイキン2などのリンホカインを産生し,B細胞に分化を誘導するためのシグナルを与える。

kotobank.jp

 

獲得免疫①  ヘルパーT細胞のやくわり
 第2防衛部隊の獲得免疫は、生まれてからの経験の中から作られた防衛網です。この獲得免疫には、抗体とキラー系の2種類がありますが、どちらもリンパ球が中心となって働いています。
 ヘルパーT細胞は、第2防衛部隊の司令官です。マクロファージから受け取った外敵侵入の知らせと、外敵がどんなものであるのかという情報をもとに、敵の性質・特徴や弱点を知り、的確に侵入した敵に攻撃できるように戦略を決める指揮官です。
 第2防衛部隊の司令官ヘルパーT細胞は、B細胞には「敵をつかまえろ」で、キラーT細胞には「敵を殺せ」という命令を出します。
 「敵をつかまえろ」という命令を受けたB細胞は、敵の情報をもとに、捕まえるための特別なタンパク質を作ります。これが「抗体」といわれるものです。この抗体は水に溶けますから、血液にまざって体中をまわり、敵をみつけてつかまえてしまい、相手を無力化します。
 「敵を殺せ」との命令を受けたキラーT細胞はたくさん増え、力も強くなり、抗体につかまえられた敵を破壊して殺すだけでなく、敵にのっとられてしまった細胞も、外敵もろとも破壊してしまいます。ちなみに「キラー」とは、「殺し屋」の意味です。

獲得免疫① ヘルパーT細胞のやくわり

 

ヘルパーT細胞[編集]
[icon] この節の加筆が望まれています。
細胞表面にCD4抗原を発現しているリンパ球の亜集団。
1986年にT. R. Mosmannらが初めてマウスのT細胞クローン間のサイトカインの分泌パターンの違いによってTh1細胞及びTh2細胞の二つのヘルパーT細胞の亜集団の概念を提起して以来、この二つの亜集団に関しては精力的な研究が行われてきている。
CD4陽性T細胞から分化し、IFN-γ(Th1細胞)、IL-4やIL-5(Th2細胞)またはIL-17(Th17細胞)等を産生し他の細胞の活性化、機能の行使等を助ける。
Th1という細胞はキラーT細胞やマクロファージに作用してそれを活性化して、細胞の活性を増強させる物である。 Th2は、いわゆるヘルパーT細胞と呼ばれるもので、B細胞や抗原提示細胞と協力して抗体生産を行なう。
ヘルパーT細胞は、そのサイトカイン産生パターンよりさらに3つの集団に分けられ、T cell helperの頭文字をとってTh1細胞、Th2細胞、Th17細胞と名づけられた。Th1細胞は主にIL-12の存在下で分化し、分化後はIFN-γを主に産生する。Th2細胞はIL-4によって分化し、分化後に主に産生するサイトカインもIL-4である。Th17細胞は最近発見された新たなT細胞集団でIL-6、TGF-β存在下で分化し、分化後はIL-17を産生する。
Th1細胞は細胞性免疫を媒介し、自己免疫疾患、遅延型アレルギーにも関与すると考えられている。対するTh2細胞は液性免疫を媒介し、即時型アレルギーに関与している。また、Th17細胞は多くの自己免疫疾患モデルマウスにおいて増加していることから自己免疫疾患に関わっていることが考えられている。
これらのTh1とTh2の各細胞を分化させたり、分化後に産生されるサイトカインは、お互いの細胞群を抑制し調整する性質が単純図式上は見られる。つまりTh1/Th2のバランスがお互いに拮抗しあって保たれていると見ることができる。Th1型サイトカインを外部から投与することによるアレルギー疾患の治療など、このバランスを操作することによる治療法が提唱されたが、成功は見ていない。複雑に関連しあう関係があると見られている。

T細胞 - Wikipedia

 

ヘルパーT細胞
同義/類義語:エフェクターヘルパーT細胞, ヘルパー型T細胞
英訳・(英)同義/類義語:helper T cell, helper T-cell

抗原提示細胞によって提示された抗原を認識して分化活性化したT細胞で,B細胞の抗原産生を刺激したり、マクロファージや細胞障害性T細胞の活性化を助ける。B細胞を活性化するTh2細胞と、マクロファージや細胞障害性T細胞を活性化するTh1細胞の2種類。

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ヘルパーT細胞がキラー様T細胞へ変化
-免疫細胞の環境適応能力に通説を覆す新たな視点-
この発表資料を分かりやすく解説した「60秒でわかるプレスリリース」もぜひご覧ください。
ポイント
腸管ではヘルパーT細胞がキラー様T細胞に変化する
ヘルパーT細胞には細胞機能プログラムを再び書き直す能力がある
人為的なT細胞分化誘導法による新たな免疫疾患の治療法開発に期待

要旨
理化学研究所野依良治理事長)は、食物や細菌に常にさらされている腸内環境では、免疫応答の司令塔として重要なヘルパーT細胞[1]が、異物を認識して破壊するキラーT細胞[2]と同様の機能を持つキラー様T細胞へと機能変化できることを解明しました。これは、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)免疫転写制御研究グループの谷内一郎グループディレクターと米国のラホイヤアレルギー・免疫研究所(La Jolla Institute for Allergy & Immunology:LIAI)のヒルデ シェルートル(Hilde Cheroutre)教授(免疫・アレルギー科学総合研究センター 環境応答制御研究ユニット ユニットリーダー兼務)らの共同研究グループによる成果です。

病原体から身体を守る免疫反応で重要な働きをするT細胞は、大きくヘルパーT細胞とキラーT細胞に分類されます。これら2種類のT細胞は、胸腺[3]で共通な前駆細胞からそれぞれ分化します。最近の研究から、ヘルパーT細胞は、病原体の種類や周りの免疫細胞との関係により細胞の機能を変化できる柔軟性(分化可塑性[4])を持つことが明らかになってきました。しかし、これまでの通説では、胸腺での前駆細胞からヘルパー/キラーT細胞への運命決定は不可逆的であり、いったん胸腺でヘルパーT細胞に運命決定された細胞は、その後キラー様T細胞には変化しないと考えられてきました。

共同研究グループは、腸管で働くT細胞の種類とその機能、分化経路について詳細に解析しました。その結果、一部のヘルパーT細胞がキラーT細胞と同様の機能を持つキラー様T細胞に機能変化していることを見いだしました。さらに、その機能変化に必要な遺伝子発現の制御機構を解明しました。

この成果は、免疫細胞が環境に対応して機能変化して免疫応答を調節していることを明らかにしたものであり、免疫応答の仕組みに関する従来の通説を覆す新たな視点といえます。今後、人為的な免疫応答の制御や、ヘルパーT細胞とキラーT細胞の機能を併せ持つ新しいT細胞を作り出せる可能性があり、免疫疾患の新たな治療法の開発につながると期待できます。本研究成果は、米国の科学雑誌『Nature Immunology』に掲載されるに先立ち、オンライン版(1月20日付け:日本時間1月21日)に掲載されます。

背景
病原体による感染症から身体を守り、がん細胞を駆逐するなどの重要な働きを担う免疫応答には、それを調節する司令塔の「T細胞」があります。T細胞は、大きく「ヘルパーT細胞」と「キラーT細胞」に分けられ、これらのT細胞は、CD4とCD8と呼ばれる細胞表面マーカーの発現パターンにより、簡単に見分けることができます。ヘルパーT細胞は、CD4だけを発現(CD4+CD8-)し、キラーT細胞はCD8だけを発現(CD4-CD8+)します。また、ヘルパーT細胞とキラーT細胞は共通の祖先である前駆細胞を持ち、胸腺で分化・成熟します。この前駆細胞は、CD4とCD8を共に発現していることからDP胸腺細胞(CD4+CD8+)と呼ばれます。つまり、DP胸腺細胞はヘルパーT細胞になるか、キラーT細胞になるか運命選択を行い、ヘルパーT細胞に決定された場合はCD8の発現を消失しCD4+CD8-の顔をしたヘルパーT細胞に、キラーに決定された場合はCD4の発現を消失してCD4-CD8+の顔をしたキラーT細胞に分化します。しかし、DP胸腺細胞がどのようにしてヘルパー/キラーT細胞へそれぞれ分化するのか分かっておらず、その遺伝子発現の制御機構は長い間不明のままでした。

異なる機能を持つ細胞(例えばヘルパーT細胞とキラーT細胞)では、ゲノム情報からそれぞれの細胞になるために必要な特定の遺伝子の発現を調節することで、異なる機能を獲得します。遺伝子発現を調節(転写調節)する核内タンパク質は、「転写因子[5]」と呼ばれます。DP胸腺細胞のような前駆細胞は、転写因子によって特定の遺伝子群の発現を制御するプログラムを作動させ、どの細胞に分化していくかの運命を決定します。これまで谷内グループディレクターらは、2002年にキラーT細胞への分化に重要なRunx転写因子を同定し(Taniuchi et al. Cell 111, 621-633,2002)、2008年にはヘルパーT細胞への分化に重要なThPOK転写因子[6]の発現を調節する重要な分子メカニズムを解明(Setoguchi et al. Science 319:816-819, 2008)してきています(図1)。

これまで、DP胸腺細胞からのヘルパー/キラーT細胞への運命決定は不可逆的であり、いったん決定された運命はその後2度と変更できないと考えられてきました。しかし、最近の研究成果から、ヘルパーT細胞には柔軟な分化能(分化可塑性)があり、あるタイプのヘルパーT細胞から別のタイプのヘルパーT細胞に機能変化できることが分かっています。また、別の研究から、腸管の上皮細胞の間に入り込んでいる上皮細胞間リンパ球(Intra Epithelial Lymphocytes : IEL)[7]と呼ばれる特殊なT細胞群には、CD4とCD8を共に発現しているCD4+CD8+ IEL細胞の存在が知られていました。しかし、このCD4+CD8+ IEL細胞の機能や分化経路は不明でした。

シェルートル教授らは、正常のマウスの脾臓(ひぞう)からヘルパーT細胞を分離し、T細胞を持たない別の免疫不全状態のマウス(免疫不全レシピエントマウス[8])に移入すると、移入したヘルパーT細胞の一部が腸ではCD8を発現してCD4+CD8+という別の顔を示すIEL細胞に変化していることを見いだしていました。このことは、ヘルパーT細胞に運命決定された細胞がキラーT細胞に変化する可能性を示唆します。そこで理研の研究グループは、シェルートル教授とともに、胸腺で最初にヘルパーT細胞になるのに必要なThPOK転写因子とCD4+CD8+ IEL 細胞に着目し、共同研究を開始しました。

研究手法と成果
(1)キラーT様細胞へ機能変化するにはThPOK転写因子の発現消失が必要
ヘルパーT細胞の分化の引き金となるThPOK転写因子は、ヘルパーT細胞の目印としてCD4以上に重要で、ヘルパーT細胞がその機能を発揮するために必須のタンパク質です。共同研究グループは、まずThPOK転写因子の発現について調べました。Thpok転写因子の発現の様子を観察するために、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescence Protein:GFP)をThpok遺伝子内に組み込んだトランスジェニックマウス[9](ThPOK-GFPマウス)を作製しました。

ThPOK-GFPマウスの脾臓から分離精製したヘルパーT細胞を免疫不全レシピエントマウスに移入したところ、腸管に移動してCD4+CD8+ヘと変化したIEL細胞ではThPOK-GFPの発現は消失していました。このことは、キラーT細胞の特徴であるCD8を発現しているだけでなく、ヘルパーT細胞であるために必要なThPOK転写因子の発現を失っていることを示します。つまり、マーカーとしての細胞の顔だけでなく、転写因子の発現消失という遺伝子発現プログラムも変化していることを示唆します。そこで、CD4+CD8+IEL細胞の詳細な遺伝子発現パターンと試験管内での細胞機能を調べました。その結果、この細胞はキラーT細胞の特徴となる多くの遺伝子を発現しており、さらにキラーT細胞としての機能を持つことが判明しました。つまり、腸管に移動したヘルパーT細胞の一部はキラーT細胞と同様の機能を持つCD4+CD8+のキラー様T細胞に変化できることが分かりました。

次に、ThPOKの発現消失は単なる偶然の一致なのか、キラー様T細胞への変化に重要な出来事なのかを確かめるためThPOK転写因子を常に発現するようにしたヘルパーT細胞を作製し、免疫不全レシピエントマウスに移入したところ、CD4+CD8+細胞は出現しなくなり、またキラーT細胞に特徴的な他の遺伝子の発現も見られませんでした。この結果から、ヘルパーT細胞からCD4+CD8+のキラー様T細胞ヘの変化にはThPOK転写因子の発現消失が必要であることが分かりました。

(2)ThPOK転写因子の発現消失のメカニズム
次にThPOK転写因子の発現がどのようにして消失するかについて調べました。理研の研究グループは、胸腺内でキラーT細胞への運命決定が起こる時に、ThPOK転写因子を作り出す遺伝子(Thpok遺伝子)内にある遺伝子の発現を負に制御するサイレンサー[10]が働いて、ThPOK転写因子が発現しないように調節しているメカニズムを発見していました注1。つまり、このサイレンサーが機能を発揮し、ThPOK転写因子の発現を妨げることで、胸腺内ではDP前駆細胞からヘルパーT細胞への分化経路が遮断されて、キラーT細胞への運命決定が起こります。

このことから共同研究グループは、腸管でおこるヘルパーT細胞からキラーT細胞ヘの変化の際にも、胸線内と同じメカニズム働くか調べることにしました。その為にはこのサイレンサーを持たないヘルパーT細胞を用いた実験を行う必要があります。そこで、共同研究グループは、遺伝子操作によって新しい遺伝子変異マウスを作製しました。このマウスを用いると、一旦ヘルパーT細胞を取り出した後に、試験管内でサイレンサー領域除去し、人為的にサイレンサーを除いたヘルパーT細胞を作ることが出来ます。このヘルパーT細胞を免疫不全レシピエントマウスに移入した実験の結果、CD8+を発現するキラー様T細胞の出現が激減したことから(図2)、ThPOK転写因子の発現消失にはサイレンサー領域が重要であることが分かりました。つまり、胸腺でのキラーT細胞への運命決定と同じメカニズムで、腸管でのヘルパーT細胞からキラー様T細胞へ変化していることを突き止めました。
注1:2008年2月8日プレス発表

(3)正常マウス体内でのヘルパーT細胞の運命の追跡
以上の結果は、T細胞を持たない免疫不全レシピエントマウスに、別のマウスから取り出した細胞を移入するという実験手法で得られたものです。この実験だけでは、ヘルパーT細胞からキラー様T細胞への変化は免疫細胞がないという特殊な環境下でおこる特殊な出来事なのか、健康な正常マウスでも通常に起こることなのか分かりません。そこで、正常マウスで、いったんヘルパー細胞になった細胞が、その後どのような分化運命をたどるのか調べることにしました。実際には、胸腺内のヘルパーT細胞に、細胞分裂などを経て別の細胞など(ヘルパーT細胞の子孫)になっても消えない黄色蛍光タンパク質(YFP)で印をつけることが可能なマウスを作製し、ヘルパーT細胞の子孫の細胞を追跡しました(Fate mapping法)。実験の結果、正常マウスの腸に存在するCD4+CD8+キラー様T細胞は、いったんThPOK 転写因子を発現してヘルパーT細胞になった細胞の子孫から生じたと分かりました(図3)。

以上の結果は腸のような特別な環境下ではヘルパーT細胞からCD4+CD8+のキラー様T細胞が発生することを示すものです。最近の研究では、腸の中にいる細菌の種類により腸内のヘルパーT細胞のタイプが異なることが分かってきています。そこで腸を無菌状態にしたマウスを調べたところ、CD4+CD8+のキラー様T細胞は見つかりませんでした。このことから、CD4+CD8+のキラー様T細胞の分化には腸内細菌から発せられる情報が必要であることが分かりました。

今回の研究ではCD4+CD8+のキラー様T細胞の分化を強く誘導する単一の腸内細菌は同定できなかったことから、複数の腸内細菌が関与している可能性があります。腸内細菌をはじめ、どのような環境刺激により、CD4+CD8+のキラー様T細胞ヘの変化が誘導されるのか?またCD4+ CD8+のキラー様T細胞が実際の免疫応答とその制御においてどのように機能するのか?という疑問は今後の研究により明らかにすべき課題です。

今後の期待
今回、ヘルパーT細胞は、キラー様T細胞へ機能変化するという予想外の秘められた潜在能力を持つことが明らかになりました。さらに、機能変化過程がThPOK転写因子の発現消失によるものだったことから、この過程では細胞の性質をコントロールする根本的なプログラムが書き換えられていることが分かりました。つまり、腸管のような環境下のヘルパーT細胞は、細胞機能プログラムを再び書き直す能力を有していることが分かりました。このような細胞機能プログラムの書き換えはリプログラミングと呼ばれ、人為的にiPS細胞を作製する際に見られる現象と類似のものと捉えることができます。

免疫系は、多様な環境の変化に対応する高い適応性が要求される高次生命機能です。これまでは多様な免疫細胞が血流にのって動き回ることで免疫応答や炎症の局面で入れ替わるという動的な側面が柔軟な対応力の主因と思われていました。しかし、今回、これまで注目されていなかったヘルパーT細胞の柔軟な分化可塑性が明らかになりました。この成果は、免疫系の環境適応能力の研究に新たな視点をもたらすと考えられます。

今後、ヘルパーT細胞の柔軟な機能変化の基盤となる機構を解明していくことで、人為的に免疫応答を制御する方法の開発や、ヘルパーT細胞とキラーT細胞の機能を併せ持つ新しいT細胞を作り出すことが可能になるかも知れません。このような人為的なT細胞分化誘導法の開発は、免疫疾患の新たな治療法の開発につながると期待できます。

原論文情報
Daniel Mucida, Mohammad Mushtaq Husain, Sawako Muroi, Femke van Wijk,Ryo Shinnakasu,Yoshinori Naoe, Bernardo Sgarbi Reis, Yujun Huang, Florence Lambolez,Michael Docherty,Antoine Attinger, Jr-Wen Shui, Gisen Kim, Christopher J Lena, ShinyaSakaguchi, Chizuko Miyamoto,Peng Wang, Koji Atarashi, Yunji Park, Toshinori Nakayama, Kenya Honda,Wilfried Ellmeier,Mitchell Kronenberg, Ichiro Taniuchi & Hilde Cheroutre. "Transcriptional reprogramming of mature CD4+ helper T cells generates distinct MHC class II--restricted cytotoxic T lymphocytes." Nature Immunology,2013. doi: 10.1038/ni.2523

ヘルパーT細胞がキラー様T細胞へ変化 | 理化学研究所

 

獲得免疫「Th1細胞」と「Th2細胞」の働き

ヘルパーT細胞が持つ2つの顔
ヘルパーT細胞は、抗原の種類によって、Th1細胞になるか、Th2細胞になるかが変わります。
細菌・ウィルス担当のTh1細胞

まずは、Th1細胞の働きから見ていきましょう。
Th1細胞は、細菌やウィルスなどの異物に対して反応します。
敵を退治するためにB細胞へ「どんな敵なのか」を知らせ、抗体(武器)を作るよう指示を出します。B細胞は、作った抗体で敵を退治していきます。一方で、1度作った抗体は記憶しているため、同じ敵が二度と侵入してこさせないように見張ります。(抗原抗体反応)
Th1細胞は、B細胞だけでなく、キラーT細胞やNK細胞、マクロファージなどの細胞を活性化(指示を出す)させて、細菌やウィルスを食べてやっつけたり(貪食作用)、ときには武器(消化酵素など)を用いて破壊したりします。
Th1細胞が指令を出す際に分泌するのが、「IFN-γ(インターフェロンガンマ)」というサイトカイン(生理活性物質)。このサイトカインによる指令がなければ、B細胞やキラーT細胞たちは敵を攻撃することができません。
Th1細胞の働き②
花粉やダニ、ホコリなどのアレルゲン担当はTh2細胞

一方の「Th2」細胞は、ダニやカビ、花粉などのアレルゲンに反応します。
B細胞を活性化させて、抗原を退治するため抗体をつくります。
Th2細胞の働き②
その際、指令物質として、「Th2細胞」からは「IL-4(インターロイキン4)」が分泌され、B細胞に抗体を作るよう指示を出します。
免疫バランスが崩れ、Th2細胞が過剰になるとアレルギー症状が起こるのです。
しかし本来、体は、どちらか一方の反応が過剰にならないように、それぞれの細胞から分泌される「IFN-γ」と「IL-4」のサイトカインがお互いの働きを抑制し合うようにも働いています。そうして、Th1細胞とTh2細胞による獲得免疫のバランスは保たれているのです。
免疫バランス
免疫バランスコメント
じゃなんでアレルギー反応が過剰になっている人が多いのかしら?

immubalance.jp

花粉症の仕組みを医療関係1次ソースから超わかりやすく解説する

ある物質に対して、体が過敏な拒否反応を示すのをアレルギーといいますが、中でも、スギ花粉によって引き起こされるアレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)やアレルギー性結膜炎(眼の痒み、流涙)等を総称として、俗に花粉症といいます。アレルギー性鼻炎は、スギ花粉以外にも、ブタクサやカモガヤといった植物の花粉、ダニ、ハウスダスト(家のほこり)、カビなどでも起きます。頻度の高い原因物質でも10種類位あり、1年中遭遇する可能性があります。また、クーラーのついている部屋とそうでない部屋を行き来するだけで、くしゃみや鼻水が出てしまうような、気温の変化に追従できない血管運動性鼻炎と呼ばれるタイプもあります。治療をするにあたり最も大切なのは、「自分が何に対して、どの位の強さのアレルギーを持っているのか」を把握する事です。そして、まず、アレルギーを起こす物質から回避するのが、治療の第一歩になります。
 

検査について

  スギ花粉症があり、5月を過ぎてもまだ症状が続く場合には、カモガヤのアレルギーもあるかもしれませんし、秋口にも症状が出る場合には、ブタクサのアレルギーがあるかもしれません。冒頭に記したように、「自分が何に対して、どの位の強さのアレルギーを持っているのか」を把握する事は、とても大切な事です。また、個人の体質を知る、という事は、治療をする側にとっても、とても助かるのです。例えば、スギ花粉症の患者さんが血液検査を行いアレルギーの程度が弱い事が把握できているとすると、花粉の飛散量が少ないのに症状がおさまっていない場合には、現在服用している薬は効いていない、と判断できるからです。アレルギーの原因物質を調べるには、大きく分けて2つの方法があります。一つは、腕などに、一般的にアレルギーを起こしやすい物質を各種、ごく少量注射し(針で傷をつける方法もある)、15分後に、赤く腫れるかどうかをみる皮内テスト検査と、もう一つは血液検査です。皮内テストは、一度に沢山の種類の物質について調べられ検査代もあまりかかりませんが、強いアレルギーを持っている方の場合には、全て反応が出てしまい、正確でない場合があります。また、検査後かなり痒く、不快を伴います。血液検査では、正確に、その強さまで把握できますが、検査代がかかるのと、結果がわかるまで数日を要する欠点があります。当院では、希望者に血液検査を行っていますが、検査代は、頻度の高い8種類について検査した場合、¥4260です。  

治療法

  民間療法も含めると膨大な数になりますので、ここでは、ごく一般的な治療法についてのみ説明いたします。

抗原からの回避 ‥‥‥ スギ花粉にだけアレルギーがある患者さんは、春先以外の季節に症状が出ません。これは、スギ花粉が飛んでいないからで、つまり原因物資:抗原に接しなければ、アレルギー性鼻炎は起きないという事です。もし、ダニやハウスダストのアレルギーがある方の場合には、畳やカーペット、ベッド、ぬいぐるみ等の掃除をまめに行えば症状が軽減します。地味なことですが、まず「抗原からの回避」が基本です。

薬物療法 ‥‥‥ 抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、注射、各種点鼻薬などによる治療法です。現在、かなりの数のお薬がありますが、それぞれ利点、欠点がありますし、服用する人との相性もあります。例えば、ある患者さんでAという薬がとても経過が良かったとしても、他の人には眠気が強く、効果も今一である場合などです。当院では、私自身(院長)がアレルギー性鼻炎があるので、全ての薬剤を試用し、効果と副作用を確認した上で選別し、処方しています(花粉症の時期に、私がくしゃみをしていたら、新薬を試していると思って下さい)。注射は、アレルギー性鼻炎を軽減するものが主ですが、中にはシーズン前に1度注射をすればOK、という 「予防注射」 と称する治療があります。これは高濃度の特殊なホルモン剤を使用するもので、生理不順、注射後の皮膚変形など、さまざまな副作用がおき る場合がありますので注意して下さい。この注射は、以前から日本耳鼻咽喉科学会でも行わないよう警告しておりますし、当院でも行いません。


花粉症の“予防注射(ケナコルト)”による副作用の例  (21歳 女性)

 - 凹みを伴った大きなアザとなっていて、着る服も制限されてしまっている -

 

減感作療法 ‥‥‥ アレルギーの原因物質を極めて薄い濃度から少しづつ注射し、抵抗力をつける治療法です。ダニなどの通年性アレルギー(1年中症状があるアレルギー)の方や、喘息もある方 、もしくはスギ花粉症を徹底的に治療したい方などが対象になります。週1~2回の通院(注射)で、維持量に達するのに、4ヶ月くらいかかりますが、一旦維持量に達してしまえば、月1回の注射で済みます。当院で最も成績の良い治療法で、投薬無しでも、ほぼ症状が抑えられている患者様が多数いらしゃいます。情熱と根気のある方は、是非試みて下さい。ただし、注射を止めて しばらく放置しておくと、体質は元に戻ってしまいますので、この点に注意して下さい。

手術療法 ‥‥‥ 手術で鼻の粘膜を一部除去したり、鼻の粘膜にレーザーを照射し、アレルギーを起こす場を減らそうという治療です。レーザー治療については、問い合わせが多いので、別途詳細を下に示しました。

  治療効果の判定は慎重でなければなりません。花粉症の場合には、毎日の花粉の量や、生活環境(例えば昼間 外で仕事が多く、他の人より多くの花粉に暴露する等)で大きく左右されます。これらの事を冷静に客観的に判断しないと正しい判定はできません。新たな治療を試みた年が、たまたま花粉の量が少ない年であったのに「これは素晴らしい!」と判断されてしまったケースや、最終的な効果の判定が、すでに花粉が飛散していない頃になされたために、最後にはとても良くコンロールできた、と判定されてしまったケースに遭遇する場合があり、注意が必要です。くどいようですが、「自分が何に対して、どの位のアレルギーをもっているのか」、「抗原:アレルギーの原因物質と、現在どの位接しているのか」、そしてその結果、「現在、症状がどうなっているのか」、という事をふまえて総合的に判定しなければならないのです

 

皆既月食 (2011年12月10日)   ©Y.KOSEKI

♪♪
  

レーザー治療について

  鼻粘膜にレーザーを照射して鼻のアレルギーを起こす場を減らし、また、鼻粘膜のアレルギー反応を鈍くしようという治療です。花粉症の場合には、花粉症のシーズン前に治療を終了しておくのが理想です。1年中アレルギー性鼻炎で悩んでいらっしゃる方や、花粉症のシーズン中、症状がつらくて全く仕事にならない方、お薬の服用を減らしたい方が対象です。しかし、治療成績が良く、通常、副作用が無い事から、通常のアレルギー性鼻炎の方にも普及してきている治療法です。レーザーにもいろいろありますが、術後の出血が無く、無痛で照射できる点から、当院ではCO2 レーザーを採用しております。特に、鼻づまりのある症例には効果は絶大で、臭いの回復や、いびきの軽減にもなる利点があります。

  *注意: レーザーは、CO2 でなければいけない、という事はありません。大切な事は、術者がいかに使いこなしているか、という事であって、どの機種を使用しているか、という事ではありません。

  


照射前:鼻の粘膜が腫れ上がり   照射1月後:鼻腔にすきまが形成

鼻から全く呼吸ができない      され、楽に呼吸ができる 

  照射すると、反応性に鼻粘膜が腫れ、鼻水、くしゃみが数日続く場合がありますが、多くは1週間以内におさまります。起こりうる副作用としては、術中の痛み、術後の出血、鼻粘膜の過度の萎縮、鼻涙管閉塞による流涙、鼻粘膜の癒着などが考えられますが、当院では、ほぼ無痛で照射できますし、術後の出血や、他の副作用は、現在までのところ経験しておりません。過度に照射を繰り返すと鼻粘膜が萎縮し、鼻の中にカサブタを形成し易くなって、かえって鼻がつまる可能性が考えられますし、未熟な医師が誤って鼻涙管を傷つけてしまうと、流涙が続くかもしれません。また、照射後、通院をおろそかにすると、鼻粘膜が癒着してしまう可能性がありますので、注意して下さい。照射後、臭いが鈍くなってしまうのではないか、との質問を時々受けますが、臭いを臭いを感じる嗅裂部と照射する下甲介とは、場所が離れていますので、その副作用は、ありません。なお、レーザー治療の効果は、永久的なものではなく、個人差や施設によっても異なりますが、約1~3年位です。現在、アレルギー性鼻炎のレーザー治療は保険適応が認められておりますので、通常の医療機関では、以前のように何万円もかかることはありません。当院の場合、総計.¥9170です。当院では、基本的に両側同時に1回照射し、必要に応じて追加照射しています。治療後、数回の鼻処置(通院)が必要です。遠方の方や、照射後当院に通院が難しい方の場合には、当院での照射治療後に、お近くの耳鼻咽喉科をご紹介致します。まず初めに当院の一般外来を受診していただき、診察後、レーザー治療の予約を取っていただくようにしております。なお、レーザー治療は、平日の診療時間にも行っていますので、受診時にお問い合わせ下さい。

   *注意: レーザー治療は、あくまでも鼻の症状を軽減する治療であり、永久的に完全に症状を無くしてしまうものではありません。効果には、個人差があります。花粉が多い日には、症状が出る可能性がありますし、眼の症状に対しては、点眼薬が必要です。ダニやホコリに対して強いアレルギーをお持ちの患者さんは、早期に再発してくる可能性があります。 また、長期に渡り数多く照射するのは、まだ安全性が確立していない(治療成績が未定であるし、数多い照射は発癌性の可能性もあり得る)と思われますので、当院では、4回以上の照射は行っておりません。
   

当院の治療成績

 当院では、2000年10月開院以来、 約2年7ヶ月間に571症例(その後症例が増え、2016年1月現在で2453例)に対し693回のレーザー治療を行いました。症例の内訳は、重症例 51%、中等症例 35%、軽症例 6%、血管運動性鼻炎・その他 8% で、他施設からの依頼等で術後、経過の経過が把握できなかった症例は、検討対象からはずしました。症状がほぼ抑えられた症例は 59%、花粉が多い日に若干症状が出たが、通常は落ち着いていた症例は 38%、あまり効果が認められなかった症例は 3% でした。照射2年目の成績は、症状がほぼ抑えられた症例は 29%、花粉が多い日に若干症状が出たが、通常は落ち着いていた症例は 61%、あまり効果が認められなかった症例は 10% でした。また、3年目でも症状がほぼ抑えられた症例が 6例、花粉が多い日に若干症状が出たが、通常は落ち着いていた症例が9例ありました。あまり効果の認められなかった症例は、高度な鼻中隔彎曲症の合併例、粘膜の過敏性が極度に強い例、外での仕事が主で、花粉に暴露する機会が多かった例等でした。また、照射中、たまにピリッとごく軽度の痛みを感じた症例は 9%(照射への影響は無し)、全くの無痛であった症例は 91% でした。術後、出血があった症例は 0%、術後、鼻汁が増えた(途中で受診しなくなったため、その後不明)という症例が 1例、その他、副作用はありませんでした。今後、さらに症例が増えた段階で追加報告致します。
 *2016年12月末現在、2428例に行 いましたが、治療成績等は、ほぼ同様です。痛みに関しては、さらに、その頻度は低くなっています。

 

ラウンド・タワー (コペンハーゲン)   ©Y.KOSEKI

     

まとめ  (追加も含みます)

 1. 良い治療を受けるためには、血液検査を行い、何のアレルギーを持っていて、

   どの位の程度なのか、本人も治療する側も、しっかり把握する必要がある。

 2. 症状は、花粉の量(暴露する量)とアレルギーの重症度とのバランスが大きく

   影響する。

 3. レーザー治療は、花粉飛散の前に終了していなければならない(当院では12月

   に予約開始)。また、レーザー治療は花粉症の総合的治療の一環として行うべき

   ものであり、レーザー治療のみ行ってもコントロールできるものではない。

 4. 毎年、レーザー治療をするのは、鼻の機能の保持ならびに安全性の点から、

   医学的に薦められない(当院では、2~3年間隔で総計3回程度)。

 5. 花粉症の治療の第一選択は、内服薬である。減感作療法を除き、注射は、最近の

   優秀な内服薬にはるかに劣り、第一選択になる事はない。

 6. 内服薬を連用して、効果が薄れる事はない。もし、「初めは効いていたのに、だん

だん効かなくなってきた」という場合には、単に効果の無い薬を服用していて、

花粉の量が増えただけの場合が多い。

 7. その人に合った内服薬、点鼻薬、点眼薬を選択すれば、治療成績は大きく向上

する(薬は、すべて同じではない)。

 8. 患者の状態を把握し、症状が落ち着いていれば、1年以内に発売された新薬を

除き、1ヶ月程度であれば、まとめて一括して処方できる。

9. 花粉の量がピークの時期には、どのような治療をしていても、多少なりとも症状が

出る場合が多い。

10. 花粉症を根本的に治す方法は無い。治ったと思っていても、それは単にその年に、

   花粉に接している量が少ない場合がほとんどである。

11. 国は、まじめに日本の植林政策(日本中をスギばかり植林し続け、しかも放置)

ならびに大気汚染(特にジーゼル・エンジンの排気)の問題に取り組まなければ

ならない。

花粉症:レーザー治療外来

 

アレルギーって何?
花粉症対策のために知っておく目、鼻、口のアレルギー
花粉症の対策をたてるためには、まずアレルギーについて知っておく必要があるでしょう。アレルギーはいわば過敏症で、もともと体にとって不必要なものを排除するしくみが過剰に働いてしまうためにおこります。

花粉症はスギなどの花粉に対するアレルギー症状の総称で、花粉が主に体の「粘膜」に触れることで起こるアレルギーです。「粘膜」は体の中でも湿っている部分で、「鼻の中」「まぶたの裏」「口の中」などがそうです。最も外気に触れやすいそれらの粘膜に花粉が取り付くと、過敏な粘膜は過剰反応を起こし赤くはれて粘液を分泌します。それが「鼻水」「鼻づまり」「目の充血」「目のかゆみ」「目ヤニ」などの症状になるのです。

その他にも口やのどの渇き、食欲低下や下痢などの消化器症状を起こす方も多く、これは口や胃、腸の粘膜に花粉が触れることによっておこると考えられ、さらには思考力の低下や倦怠感、発熱などの全身症状をひきおこすこともあります。私自身も花粉症で、いつも1月の終わりから2月の初めの頃、風邪をひいた時のような全身倦怠感と微熱が出ますが、それが花粉症の始まりの合図と心得ています。

予防はどうすればいいの?
花粉症の予防は、とにかく花粉と触れないようにすることです。なので、その時期だけ花粉の飛ばない北海道や海外に移住するのが一番です。びっくりするくらい症状がよくなります。でも、現実的ではありませんね。花粉と触れ合う機会があれば、必ず症状が出てしまいます。それを少しでも軽くする、という意味での、予防のお話をします。

初期治療を始めましょう
花粉症対策(目・鼻・口)の薬
花粉症の症状が始まり、悪化してから治療を始めると、その分強い薬を使わなければいけませんし、良くなるまでには時間がかかります。最近では、花粉が飛び始める2週間ほど前から薬を使い始めるとシーズン中の症状が軽くすむことがわかっています。毎年症状のある方は、1月の半ば~終わりころの症状が出る前から点眼、内服を始めるのがお勧めです。当院では点眼だけでなく、内服、点鼻薬もお出しできるように準備しております。

メガネやマスクを使いましょう
花粉症対策(目・鼻・口)には眼鏡とマスク
花粉の飛入を防ぐためです。単純ですが、もっとも効果があります。ゴーグルのように周囲を覆うタイプが有効ですが、普通のメガネでも60~70%ブロックしてくれるといわれていますので、視力の良い方や見た目が気になる方は伊達メガネやサングラスでも良いと思います。風の強い日などは30分外にでるだけで、レンズにたくさんの細かい花粉の粒子がついてきますので、こまめにレンズをふき取ることも忘れずに。マスクはメガネが曇らないように、鼻の部分にスポンジパッドの入っているものがお勧めです。普段コンタクトレンズを使っている方も、この時期だけはできるだけメガネを使いましょう。レンズをつけている刺激がアレルギーを悪化させてしまいます。

目洗いは市販品でなくシャワーで
花粉症対策(目・鼻・口)の目洗いはシャワーで
それでも入ってしまった花粉は洗い流すようにします。外出先では、目にやさしい、防腐剤の含まれていない点眼(人工涙液)を使用し、帰宅後は入浴時に体中の花粉と一緒にシャワーで洗い流すのがお勧めです。シャワーヘッドを上に向けて、噴水状になったお湯の頂点に顔を伏せてまばたきすると、最もやさしい水流で洗うことができます。水道水の塩素を問題視する方もいるようですが、私はむしろ強い水流が悪影響だと考えているので、1日1回このやり方なら問題ないと思います。小さなカップをかぶせて目を洗う市販品は、目の周囲についている花粉も洗浄液の中に浮遊して目の中に入ってしまうのと、洗浄液が必要以上に涙を洗い流してしまうことを考えるとあまりお勧めできません。

ご家庭での対策
花粉症対策(目・鼻・口)の家庭での対策
患者様にお話を伺うと、ご家庭での花粉侵入防止の対策が意外におろそかになっている事が多いようです。実践できるかは各ご家庭のご事情にもよりますので、あくまでご参考程度に我が家の対策をご紹介します。 この時期は、帰宅してくると家族全員に頭から足まで入り口で花粉をはたき落としてから入ってもらいます。花粉は空気が動いている間は浮遊していますが、夜寝静まると床に沈んできますので、布団はやめてベッドにします。毎日の掃除機かけも必須です。窓開け、洗濯物や布団の外干しも極力控えてもらいます。花粉の時期は辛いですが、それが終わり、窓開けの解禁日が我が家には本当の「春の訪れ」で、その日はすがすがしい開放感にあふれています。

こすらず、冷やす
花粉症対策(目・鼻・口)・目を冷やす
それだけ対策を立てても、憎き花粉は完全には防ぎきれません。どうしてもかゆくなるときもありますが、そのときはこすらず、ひたすら我慢です。つらいときには濡らしたタオルや冷却材で冷やすと良いでしょう。うっかりこするとその刺激によりアレルギーは急激に悪化し、白目が水ぶくれのようにはれたり、ますますかゆくなるので注意が必要です。

それでもかゆくなる時は

点眼薬花粉症対策(目・鼻・口)の目薬ステロイド・抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬などを適宜組み合わせて処方いたします。

Point !:「ステロイド」はアレルギーの症状を抑えるのに非常に有効な薬です。通常、点眼薬でのステロイドは低濃度のものなので、正しく使用すれば副作用の心配はほとんどありません。中には眼圧上昇や色素沈着などの副作用を心配され、「絶対にステロイドは使用しない」とおっしゃる患者様がいらっしゃいます。しかし、ステロイドは古くからある薬で、どうしたら副作用を回避できるかもよくわかっていますので、むしろ積極的に使うべきだと私は考えています。少しでも不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。点鼻薬花粉症対策(目・鼻・口)の鼻薬ステロイド・抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬・血管収縮薬など、症状に合わせて処方いたします。内服薬花粉症対策(目・鼻・口)の飲み薬抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬などを処方いたします。副作用として、眠気が問題になることが多いので、患者様の身体への負担を考慮に入れ、相談しながら薬を選択いたします。また、漢方にも即効性のある、症状を効果的に抑える種類のものがあります。その方の症状に合わせ適切なものを処方いたします。 これまで花粉症に対して使っていた薬がある方は、受診時にその名称をお教えいただくか、お薬そのものをもってきていただけますと治療の参考になります。舌下免疫療法舌下免疫療法」は、現存する花粉症の治療で唯一「スギ花粉症を根治させる」治療です。「減感作療法」の方法のひとつで、花粉に対するアレルギーを獲得してしまった体にスギのエキスを少しずつ吸収させることで、体を花粉に慣れさせて、症状が出ないようにする、もしくは緩和する、というのが原理です。毎日1回服薬し、3年間継続する必要があります。その他にも条件や注意点がありますので、詳細はこちらのブログをお読みください。
私自身も花粉症で毎年大変辛い思いをしておりますので、花粉症のつらさは誰よりも知っています。今までの経験と知識を総動員して、それぞれの方にあった最善の方法を模索し、誠意を持って対処いたします。お困りの方はぜひ相談にいらしてください。当院では、点眼薬だけでなく、飲み薬や点鼻薬、漢方の処方、また根治療法である「舌下免疫療法」も行っていますので、今まで症状がなかなか改善しなかった方や、忙しくて耳鼻科やアレルギー科といった他の診療科を受診できない方、目だけでなく鼻にも症状が出る方もお気軽にお越しください。

www.k-eye.jp

 

花粉症の種類や発症の状況は、各地方の植物の種類や花粉の数によって
異なります。その患者さんの動向は花粉飛散とおおよそ一致します。最終
的には花粉症の患者さんの実数について、まだなお検討の余地が残ってい
ますが、厚生労働省の協力による全国調
査により国民のおよそ25%と考えられて
います。
花粉症は、花粉によって生じるアレル
ギー疾患の総称であり、主にアレルギー
性鼻炎とアレルギー性結膜炎が生じます。
花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻
汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりの「即時相(そくじそう)反応」が生じま
す。このときの鼻の粘膜は、かぜに近い赤い色の粘膜の腫脹を起こします。
このため、初めて花粉症になったときには、検査をしなければ、かぜと間
違う場合もあります。
目に花粉が入ると早くから目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してき
ます。症状が強いときは、鼻で吸収されなかったスギの抗原成分が鼻から
喉へ流れ、喉のかゆみ、咳を生じます。また鼻づまりによる頭痛、鼻や喉
の炎症反応による微熱、だるさなどの症状に悩まされます。
家の中にいるときなど、花粉がない状態でも症状はありますが、多くは
花粉の繰り返しの吸入による鼻づまりの症状が主体です。これをアレル
ギー反応の「遅発相(ちはつそう)反応」と呼び、アレルギーの細胞から放出
されるロイコトリエンなどの物質が神経や血管を刺激するために症状が現
れます。鼻の粘膜の知覚神経が刺激されるとくしゃみが起こり、その反射
で鼻汁が出ます。鼻づまりは、血管の拡張と血管からの水分の放出により
鼻が腫れるために起こり、目のかゆみはヒスタミンなどが神経を刺激する
ために起こります。

症状が起こる時期は人によってさまざまです。花粉が飛び始めるとすぐ症
状が出てくる人もいれば、花粉がたくさん飛ばないと症状が出てこない人も
います。症状の強さも同様で、軽い人もいれば重い人もいます。その年に飛
散する花粉数によって花粉症の症状の強さが変わりますので、花粉の飛散数
が少ないときには、花粉症の症状が全く出ないこともあります(図1)。
現在、「鼻アレルギー診療ガイドライン」が作られており、その中では表1
のように軽症、中等症、重症、最重症の4段階に重症度が分類されていま
す。また症状もくしゃみ・鼻水がつらいタイプと鼻づまりが強くなるタイ
プに分けられています。
この分類は、その人の花粉症症状の種類や、強さを把握するもので、お
およその分け方を知っておくと便利です。この重症度や花粉の飛散数に応
じて、治療や予防のための対策をとることにより、花粉症の症状や、それ
による生活の質(クオリティオブライフ)の低下を軽減することができます。

 

クオリティオブライフ(QOL)は、日本では「生活の質」と訳される言葉で、
世界保健機関(WHO)は、「個人が生活する文化や価値観の中で、目標や期待、
あるいは基準や関心に関連した自分自身の人生の状況に関する認識」と難しく
定義しています。これは、物の数量的に満たされた現代社会において、“量よ
りも質を高めた生活を目指すべきであるという気持ち”を表しています。
当初、QOLという言葉は社会生活の向上のために医療以外の領域で用いら
れたのですが、近年では患者さんの声をくみ取るために、また治療の効果を評
価する基準のひとつとして、医療の現場でも活用されるようになりました。
ところが、QOLを評価する基準は個人個人で異なっているので、その判
断は一定ではありません。言い換えれば、10人いれば10通りのQOLの評
価が存在するのです。ですから、QOLを高めるためにはどのようにすれば
よいのか、QOLが高い診療とはどのような診療を行えばよいのかを考える
には、綿密な調査が必要になります。現在は、これらの問題を解決する方
法として「QOL質問票」を使用する方法が確立されています。
質問票は、数十の質問に回答することで、その人のQOLを数値化するため
のものです。質問票は世界中で検討されていますが、大きく分けると「ある
特定の病気にかかった患者さんについて知るための質問票」と、「特定の病気
ではなく、その人の健康の状態を広く把握するための質問票」があります。

 

われわれは「花粉症の患者さんについて知るための質問票」を検討して、
2003年に「日本アレルギー性鼻炎QOL標準調査票(JRQLQ No.1)」(表2)
を作成しました。今後はこの調査票を用いて、花粉症をはじめとするアレル
ギー性鼻炎のQOLを客観的に評価して、よりよい医療を目指していこうとい
う段階で、厚生労働省の研究班により調査が続けられています。現在までに、
花粉症では具体的に日常生活がどのように障害を受けるかが判明してきていま
す。花粉量が10倍になっても症状やQOLは2倍ぐらいしか悪化しません。

 

花粉症の約70%はスギ花粉症と推察されています。スギの花粉が多い
のは地球の温暖化も関係します。
北海道
沖縄
関東
東海
花粉症の約70%はスギ花粉症だと推察されます。これは日本の国土に占
めるスギ林の面積が大きく、全国の森林の18%、国土の12%を占めてい
るためでもあります。
北海道にはスギ花粉飛散は極めて少なく、沖縄にはスギが全く生息しま
せん。関東・東海地方では、スギ花粉症の患者さんが多く見られます。ヒ
ノキ科花粉による花粉症も見られますが、よりスギの人工林が多いのでス
ギ花粉が多く飛散します。山梨県では、ヒノキ科花粉が多く飛散すること
があります。関西では、スギとヒノキ科の植林面積
はほぼ等しいので、いまのところ、花粉飛散はスギ
のほうが多いのですがヒノキが多く飛ぶ年
もあり、4、5月にも注意が必要です。

 

スギの花粉は雄花の中で成長します。雄花は花粉が7月の初めごろから
作られますが、このころに日照りが続き、雨が少ないと、雄花のもとであ
る花芽がたくさんできます。
花芽は夏から初秋にかけて発育を続け、やがて雄花が完成します。そして、
雄花の中に花粉が作られます。花粉が完成するのは10月中旬です。スギの
成長の度合い、雄花の量から翌年のスギ花粉飛散予報がおおよそ決まります。
また、この頃から少しずつ花粉が飛び始めることも知られてきています。
年を越して暖かくなり始めると、雄花は開花して花粉が
一斉に飛び始めます。
世界的な温暖化の影響で、花粉飛散数も増加が予想
されます。気象庁によるシミュレーションでは、
関東のスギ林密度も増加する傾向にあります。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf

好酸球とアレルギー(花粉症、アトピー性皮膚炎)の関係と好酸球を減らす方法

この記事では

花粉症やアトピー性皮膚炎などの
アレルギー症状に関係する体内分泌物質の
好酸球について

医療系情報サイトを参考に
アレルギー症状に関してどんな働きをするのか
好酸球を減らす方法はどんなものがあるのか
といったことについて

調べた結果を分かりやすく書いていきます。

好酸球の基礎知識

どんな時生成される?

どんな働きをする?

増えるとどうなる?

減るとどうなる?

どんな病気に関係する?


参考にした医療関係サイト

好酸球が増加する疾患

好酸球は、エオシンでピンク色に染まる好酸性顆粒を持ち、骨髄造血幹細胞からGM-CSF、IL-3、IL-5の刺激によって分化増殖し、血中、粘膜へ分布していく。特にIL-5の作用は好酸球に選択的に重要であり、実際、抗IL-5抗体(mepolizumab)投与により末梢血や喘息患者の喀痰中の好酸球は激減する。

血液中の好酸球は、血管内皮細胞のp-selectinを感知して血管壁を転がり(rolling)、好酸球表面のLFA-1、VLA-4を介してそれぞれ血管内皮細胞のICAM-1とVCAM-1に結合して血管壁へ接着し、血管内皮を通過する。さらに好酸球表面のケモカイン受容体CCR3を介してeotaxin、RANTES、MCP-4などの濃度勾配により病変局所へ遊走する。

好酸球はIL-5やGM-CSFなどによって活性化され、好酸球顆粒に存在するmajor basic protein(MBP)、マトリクスに存在するeosinophil cationic protein(ECP)などを放出する。これらは寄生虫障害作用を持つとともに、組織障害活性を持ち、好酸球による病態を形成する。また、好酸球からのleukotriene C4(LTC4)、LTB4、platelet activating factor(PAF)などの脂質メディエーター放出は、気道収縮や血管透過性亢進を促し病態を修飾する。

好酸球増多
好酸球の増加する疾患は、感染症、アレルギー、悪性腫瘍、原因不明のものなど多岐にわたり、自然寛解するものから重症なものまである。

好酸球数 /μl
500~1500 軽度増加
1500~5000 中等度増加
5000 高度増加
好酸球数が1500/μl以上で、好酸球増多症とする。特に2000/μl以上であると臓器障害を呈しやい。国立病院機構相模原病院からの報告では、頻度順に、薬剤性、固形腫瘍、皮膚疾患、血液腫瘍、気管支喘息好酸球性血管浮腫、Churg-Strauss症候群、好酸球性肺炎、アトピー性皮膚炎などが報告されているが、開発途上国では寄生虫感染症が最も多い。

感染症(とくに寄生虫感染症

アニサキス症、旋毛虫症、回虫症、鈎虫症、条虫症、フィラリア、肺吸虫症、日本住血吸虫などの寄生虫感染症開発途上国への渡航歴、有機農法野菜の摂取歴を問診する。猩紅熱,結核,ニューモシスティス肺炎などの感染症でも好酸球の増加を伴うことがある。

アレルギー疾患

薬剤アレルギー

末梢血好酸球が2000/μl以上の好酸球増加の原因として頻度が最も多いと報告されている。好酸球増加の場合、まず薬剤を疑うべきである。

気管支喘息

末梢血好酸球の軽度の増加、気道の好酸球浸潤や喀痰中の好酸球増加は、気管支喘息でみられる。同じ慢性閉塞性肺疾患COPD)では見られない。

アレルギー性鼻炎

鼻汁中の好酸球増多が見られるが、末梢血の好酸球は増加しないこともある。

リウマチ性疾患

好酸球性肉芽腫性多発血管炎: EGPA

気管支喘息アレルギー性鼻炎が先行。好酸球浸潤を伴う肉芽腫性血管炎。発熱、多発単神経炎(四肢の知覚・運動障害)、中枢神経障害、消化管穿孔、心血管系障害がみられる。血液検査では、炎症所見、好酸球増加、血小板数増加、血清IgE高値、MPO-ANCA(P-ANCA)陽性(42-70%)。尿中に好酸球がみられることがある。組織診断は、肺、下部消化管、腎、皮膚などで得られたと報告されているが、安全性から皮膚生検、下部消化管生検が推奨される。

結節性多発動脈炎: PAN

中型の動脈壁の炎症。血管炎による梗塞により多彩な臓器症状を呈する。

肉芽腫性多発血管炎: GPA

耳や鼻などの上気道、肺、腎臓の壊死性肉芽腫性血管炎。PR3-ANCA(C-ANCA)を検出することが多い。

血液疾患、悪性腫瘍に随伴するもの

好酸球増多症: Hypereosinophilic syndrome(HES)

1968年、Hardy&Andersonにより概念の提唱。1975年のChusidらの診断基準では、末梢血好酸球増加(1500/μl以上)が6ヶ月以上、寄生虫感染症・アレルギー・その他の疾患が除外され、好酸球浸潤による臓器障害(心、肺、中枢神経系、皮膚)がみられる場合にHESと診断される。心筋障害や弁膜症などの心病変は60%に認められ生命予後に影響する。肺病変は50%に認められるがレントゲン像は正常のことが多い。

異常なT細胞クローンによる好酸球増多症

異常なT細胞クローンがIL-5を過剰に発現し、好酸球が反応性に増加する。T細胞受容体遺伝子再構成を調べて、T細胞クロナリティを確認する。IgEの上昇やポリクローナルなIgG上昇がある。従来のHESの17~26%と報告され、独立した疾患概念となった。

慢性好酸球白血病: Chronic eosinophilic leukemia(CEL)

稀な単クローン性の好酸球増殖性疾患。骨髄や末梢で好酸球増加、臓器浸潤をきたす。PDGF-RA、PDGF-RB、FGFR1などのチロシンキナーゼ遺伝子に再構成が生じ、FIP1L1-PDGF-RA、5q33転座(PDGF-RB遺伝子異常)、8p11転座(FGFR1遺伝子異常)などの変異を生じていることがある。FIP1L1-PDGF-RA異常は、imatinib感受性が報告されている。従来のHESの10~20%とされ、独立した概念となった。遺伝子変異が検出されないものは、非特定型 (chronic eosinophilic leukemia, not otherwise specified: CEL-NOS)と分類される。

肥満細胞症

皮膚、肝臓、脾臓、骨髄、リンパ節などでの肥満細胞の増殖がみられ、2割で末梢好酸球の増加がみられる。

二次性腫瘍性好酸球増多症

T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ALL、肺癌,その他、特に転移・壊死を伴うもので好酸球増多がみられることがある。

臓器特異的な好酸球性疾患

呼吸器疾患

PIE症候群: Pulmonary infiltration of eosinophilia

肺に好酸球浸潤をきたし、末梢血での好酸球増多(6%以上あるいは400/uμl以上)を認める。原因不明(77%)、真菌(19%)、寄生虫(22%)、薬剤 (2%))。喫煙によるという報告もある。咳、喀痰、呼吸困難、発熱がみられる。

単純性肺好酸球症: 症状は軽度。無治療でも2週間以内に軽快することが多い。
急性好酸球性肺炎: 咳、発熱、呼吸困難、喘鳴が数日の単位で発症。胸水も高頻度でみられ、胸痛をしばしば伴う。喫煙開始と本症の発症との関連が言われている。気管支肺胞洗浄液で総細胞数の増加、好酸球の著増が認められる。血清TARCが高値になる。ステロイドに対する反応は良好。
慢性好酸球性肺炎: 急性好酸球性肺炎と異なり、胸水出現は少ない。再発しやすく臨床経過が長期。ステロイドに良好に反応するが、漸減中や中止後に再燃することが多く、6ヶ月以上の治療継続が必要。
急性好酸球性肺炎の診断基準(NEJM 1989)
項目
1. 7日以内の急性経過
2. 60mmHg以下の低酸素血症
3. 胸部レントゲンで両側びまん性浸潤陰影
4. BAL液中の好酸球が25%以上
5. 先行する肺を含めた全身性の感染症アトピー歴がない
6. ステロイドが著効する
7. 治療終了後に再発しない
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症: Allergic bronchopulmonary aspergillosis(ABPA)

アレルギー性気管支肺真菌症の大部分はAspergillus fumigatusである。米国では慢性喘息患者の1~2%。アスペルギルスに対するI型とIII型アレルギーが関与する。アレルゲンであるAsp f4、Asp f6に対するIgE抗体の測定が診断に有用とされる。

ABPAの診断基準(Greenberger 2003)
項目
1. 気管支喘息(必須)
2. 胸部X線で肺の浸潤影
3. アスペルギルスに対する即時型皮膚反応(プリックテスト、皮内テスト)(必須)
4. 血清総IgE値の上昇(必須)>1000ng/ml
5. アスペルギルスに対する沈降抗体(必須)
6. 末梢血好酸球増多
7. 血清抗アスペルギルスIgE抗体、抗アスペルギルスIgG抗体上昇
8. 中枢性気管支拡張症
皮膚と皮下組織疾患

アトピー性皮膚炎、

末梢血好酸球が増加する場合がある。

好酸球性血管性浮腫: Angioedema with eosinophilia

Gleich syndrome。1984年にGleichらにより報告された。好酸球増加に伴う四肢末梢の浮腫。再発するepisodic(EAE)と、再発しないnon-episodic(NEAE)がある。日本ではnon-episodicが主で、若年女性(20~37歳)に多い。血管性浮腫、蕁麻疹、IgM増加、発熱などを呈する。ステロイドに良く反応し良好な経過をたどる。自然寛解もある。

好酸球性筋膜炎

激しい運動や外傷をきっかけに、急速に四肢に対称性有痛性の筋膜炎が生じ発赤腫脹する。表皮や真皮は侵されない。病初期に末梢血の好酸球が増加する。

木村病

病名は木村哲二に由来する。頭頸部皮下の巨大(5~10cm)な良性の好酸球性肉芽腫で、東アジアの若い男性に多い。木村病より大きさの小さい好酸球性血管リンパ球増殖症は、人種差なく皮膚表面に近くに発生する。両疾患とも好酸球の増加を伴う。

その他

皮膚疾患として、 尋常性天疱瘡・水泡性類天疱瘡・好酸球性膿胞毛胞炎・乾癬・リンパ腫様丘疹など、胃腸疾患として、好酸球性胃腸炎・アレルギー性胃腸炎潰瘍性大腸炎・膵炎など、内分泌疾患として、副腎皮質機能低下症(アジソン病)・甲状腺機能亢進症などがある。

鑑別のすすめ方

薬剤性は頻度として多く、まず最初に疑う。薬剤の中止で経過をみる。
アレルギー性は、薬剤服用歴、アレルギー疾患の有無、食物の関連、季節性、住居環境、海外渡航歴などの問診が重要。肺炎があれば、アスペルギルス抗体などを測定する。
寄生虫検査、内分泌系(副腎、甲状腺)の精査
血液疾患や悪性腫瘍の鑑別。
参考文献

* 宮本昭正/監修 臨床アレルギー学 改訂第3版 南江堂
* 仲地真一郎、猪熊茂子、浅島弘充、松尾佳美、六反田諒、与那嶺朝樹、他 好酸球増多の程度と病態 アレルギー59;1364 2010
* 松尾佳美、猪熊茂子 Idiopathic Hypereosinophilic Syndrome (idiopathic HES) アレルギー 60(1);1-8 2011
* JN Allen et al. Acute Eosinophilic Pneumonia as a Reversible Cause of Noninfectious Respiratory Failure. N Eng J Med 321;569-574 1989
* PA Greenberger. Clinical aspects of allergic bronchopulmonary aspergillosis. Frontiers in Biosciences 8;s119-127 2003
* 鈴木澤尚美 アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss syndrome) アレルギー60(2);145-155 2011
* 中込一之、永田真 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症好酸球性肺炎 アレルギー60(2);156-165 2011

好酸球が増加する疾患|大阪大学 免疫内科

 

好酸球(こうさんきゅう)が基準値より高いとアレルギーの疑い
好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)は、白血球の一種類であり血球細胞の1つで顆粒を生成する事が出来る事から顆粒球とも呼ばれます。核は通常2分葉で細いクロマチン糸でつながれ細胞周縁に偏在し、細胞の大きさは好中球に比べてやや大きく、直径10~15μm程度です。健康な人の血液には、1マイクロリットル当たり好酸球数が100〜500程度あり、血液中の白血球の約7%未満と言われております。好酸球は、ある種の寄生虫に対して体を守る免疫機能を担っていますが、一方で、アレルギー(抗原抗体反応)による炎症の一因にもなります。好酸球とアレルギーについては後ほど説明します。好酸球数が増加する好酸球増加症は、異常な細胞、寄生虫、アレルギー反応を起こす物質(アレルゲン)などに対する生体反応の現れです。好酸球数が低下する好酸球減少症は、クッシング症候群やストレス反応によって起こりますが、その機能は他の免疫系によって補われるため、通常は問題を引き起こしません。

好酸球寄生虫から体を守る一方、アレルギーの原因

白血球の種類(写真)
好酸球について、色々な研究も進み分かった事も多いですが、未だに分からない事もまだまだあります。好酸球は、1879年に名づけられた白血球の一種です。好酸球はアレルギーとの関連性がある事は有名な話でありますが、寄生虫から体を守る為にも重要な働きをしている事もわかっています。気管支喘息などでは、炎症を起こしている部分に好酸球が集まり、集まった好酸球から多くの分泌物を出す事によって喘息が発症している事が分かっています。好酸球から出る顆粒と言われる物質は強い殺菌効果があり、強い炎症を引き起こし炎症部分の細胞を死滅させ、さらに好酸球が炎症部分を攻撃すると細胞が線維化し本来の機能を失ったりもいたします。好酸球を活性化させ増殖させる因子としては、サイトカインのインターロイキン5という物質があります。何かしらの原因の原因により、インターロイキン5が大量に分泌されると好酸球が活性化されます。これは他の病気の治療で使われる薬で活性化される(副作用)ものがあります。みなさんがご存じなステロイド(糖質コルチコイド)があります。 好酸球(写真)
好酸球の特徴とアレルギーの原因
好酸球には、弱いが貪食殺菌作用があり、寄生虫幼虫の殺菌、抗原抗体複合物の処理にあずかっています。また、アレルギー反応に際し、肥満細胞から放出される好酸球走化因子により引き寄せられます。
アレルギー性炎症局所に集まり、炎症の遅発反応に与えます。
好中球より寿命は、長く高度の浸潤があると組織障害を起こします。
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質ステロイドコルチゾール)にはリンパ球や好酸球を減少させる働きがあります。

好酸球は白血球百分率で1~5%が基準値

生化学血液検査項目 基準値(参考値)
生化学血液検査名称 略称 数値 単位
好酸球(eosinophils ) EOS-C,EOSIN-C 1~5%
(白血球百分率)
好酸球の検査結果の判定

好酸球の検査基準値と高値、低値で見られる疾患
範囲 白血球百分率
上昇が認められる範囲 潰瘍性大腸炎、肉芽腫性疾患、結節性多発動脈炎、皮膚疾患、 ニューモシスチス肺炎、慢性骨髄増殖症候群、悪性関節リウマチ、好酸球肺浸潤症候群、結核、 Addison病、 アレルギー疾患、 寄生虫疾患アレルギー疾患,
寄生虫疾患
 基準値(正常の範囲) 1 ~ 5%
(100~300個/μl)
低下が認められる範囲 下垂体機能亢進症、 急性心筋梗塞、 ストレス、 急性炎症、 急性感染症、 副腎皮質機能亢進症急性感染症
好酸球数が1500/μl以上の状態を、好酸球増多症といいます。また、2000/μl以上であると臓器障害を起こしやすいです。国立病院機構相模原病院からの報告では、頻度順に、薬剤性、固形腫瘍、皮膚疾患、血液腫瘍、気管支喘息好酸球性血管浮腫、Churg-Strauss症候群、好酸球性肺炎、アトピー性皮膚炎などが報告されているが、開発途上国では寄生虫感染症が最も多いです。

好酸球が増加する疾患

寄生虫感染症

寄生虫アニサキス症、回虫症、鈎虫症、条虫症、フィラリアなど)の感染症が中心です。問診の内容として開発途上国への渡航歴、有機農法を活用した野菜の摂取などが行われます。尚、寄生虫感染の他の感染症として、猩紅熱,結核,ニューモシスティス肺炎等においても好酸球の上昇がみられます。

アレルギー疾患

薬剤アレルギー:好酸球増加が見られた場合、まず薬剤による影響を疑います。薬剤が原因とする好酸球増加特に、末梢血好酸球が2000/μl異常の好酸球の増加として最も頻度が高いという報告があります。気管支喘息においては、末梢血好酸球の軽度の増加がみられます。また、気道の好酸球浸潤や喀痰中の好酸球増加も見られます。尚、慢性閉塞性肺疾患においては同様の事は見られません。アレルギー性鼻炎では、鼻腔中の好酸球の増加は見られますが、末梢血好酸球において異常が見られない事がしばしばあります。

リウマチ性疾患

リウマチは、好酸球浸潤を伴う肉芽腫性血管炎で、発熱を始め、多発単神経炎(四肢の知覚や運動に障害が起きます)、消化管穿孔、心血管系障害等が見られます。血液検査では、CRP好酸球、血小板、血清IgE等が増加します。また、組織診断が行われ肺や腎、消化管などから組織を採取するケースもありますが、安全性の観点から皮膚生検や下部消化管生検が推奨されています。リウマチには、結節性多発動脈炎(PAN)と肉芽腫性多発血管炎(GPA)があります。結節性多発動脈炎(PAN)は、動脈血管壁の炎症を引き起こします。この炎症により梗塞を引き起こし様々な臓器症状を呈します。一方、肉芽腫性多発血管炎(GPA)は、壊死性肉芽腫性血管炎が特に耳や鼻などの上気道、肺、腎臓などにおいておきます。PR3-ANCA(C-ANCA)の検査を実施します。

特発性好酸球増加症候群

特発性好酸球増加症候群は、特に原因がないのに血液中の好酸球数の値が6ヶ月以上1500個/μl以上に上昇します。50代以上の男性に比較的多うが、どの年齢層でも発症はいたします。好酸球の値が高い状態が続きますと心臓、肺、肝臓、皮膚、神経系の組織を損傷されます。心臓に炎症が起こり、その結果、血栓ができたり、心不全、心臓発作、心臓弁の機能不全になる事があります。特発性好酸球増加症候群は血液検査で好酸球を調べる事でわかりますが、体重減少、発熱、寝汗、疲労、せき、胸痛、浮腫、胃痛、皮膚の発疹、痛み、衰弱、錯乱、昏睡(こんすい)などの症状もあります。また好酸球が増加し組織を損傷し炎症した臓器や組織によっても症状はかわりますので注意が必要です。これらの症状があり、好酸球数が多い状態が続いている場合は、特発性好酸球増加症候群が疑われます。好酸球増加の原因が寄生虫感染やアレルギー反応、その他の病気でないことが確認されると診断が確定します。治療をしないと、患者の80%以上が2年以内に死亡してしまう恐ろしい病気です。治療をした場合の生存率は80%以上ですので早期発見、早期治療をお勧めします。

血液疾患や悪性腫瘍によるもの 

好酸球増多症(HES)は、寄生虫感染症やアレルギーなどの疾患は除外され、好酸球浸潤による多臓器障害(心臓、肺、中枢神経、皮膚など)の所見が見られた場合に好酸球増多症(HES)と診断されます。特に、心臓疾患として心筋障害や弁膜症等は60%に見られ生命予後に大きな影響を残します。また、異常なT細胞クローンによる好酸球増多症もあります。これは、異常なT細胞クローンがIL-5(インターロイキン:サイトカインの一種)を過剰産生し、好酸球が反射的にに増加します。それに伴い、IgEやIgGが上昇します。それ以外に主に骨髄や末梢で好酸球が増加し臓器浸潤をきたす慢性好酸球白血病(CEL)や皮膚、肝臓、脾臓、骨髄、リンパ節等において肥満細胞の増殖と末梢好酸球の増加がみられる肥満細胞症や二次性腫瘍性好酸球増多症(T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、肺癌,その他、特に転移・壊死を伴うもので好酸球増多)などがあります。

呼吸疾患によるもの 

好酸球性肺炎(PIE症候群)は、肺に好酸球浸潤をきたし、末梢血での好酸球増加(6%以上or400/μl以上)を認めます。原因別では、不明:77%、真菌:19%、寄生虫:22%、薬剤:2%、その他の原因として喫煙が起因となりうるとの報告もあります。症状は、咳、喀痰、呼吸困難、発熱がみられます。単純性肺好酸球症は、症状は軽く無治療でも2週間以内に軽快することが多いです。慢性好酸球性肺炎は、胸水は少ないが、再発しやすく臨床経過が長期に亘る事がしばしば。ステロイドによる効果は良好ですが、漸減中や中止後に再燃することが多いため、6ヶ月以上の治療継続が必要となります。一方、急性好酸球性肺炎の症状は、咳、発熱、呼吸困難、喘鳴などが数日間続きます。また、胸水も高頻度でみられ、胸痛をしばしば伴います。喫煙との関連も発症起因となりうるとの報告もあります。気管支肺胞洗浄液で総細胞数の増加、好酸球の著増が認められます。血清TARCが高値になります。ステロイドに対する効果は良好。急性好酸球性肺炎の診断基準は次のとおり。

    1. 7日以内の急性経過
    2. 60mmHg以下の低酸素血症
    3. 胸部レントゲンで両側びまん性浸潤陰影
    4. BAL液中の好酸球が25%以上
    5. 先行する肺を含めた全身性の感染症アトピー歴がない
    6. ステロイドが著効する
    7. 治療終了後に再発しない

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)とは、アレルギー性気管支肺真菌症の大部分はAspergillus fumigatus(コウジカビの一種)です。アスペルギルスに対するI型とIII型アレルギーが関与します。アレルゲンであるAsp f4、Asp f6に対するIgE抗体の測定が診断に有用とされています。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の診断基準は次のとおり。     1. 気管支喘息(必須)
    2. 胸部X線で肺の浸潤影
    3. アスペルギルスに対する即時型皮膚反応(プリックテスト、皮内テスト)(必須)
    4. 血清総IgE値の上昇(必須)>1000ng/ml
    5. アスペルギルスに対する沈降抗体(必須)
    6. 末梢血好酸球増多
    7. 血清抗アスペルギルスIgE抗体、抗アスペルギルスIgG抗体上昇
呼吸疾患によるもの 

アトピー性皮膚炎でも末梢血好酸球が増加する場合があります。好酸球性血管性浮腫は、好酸球増加に伴う四肢末梢の浮腫をいいます。再発する好酸球性血管性浮腫(EAE)と、再発しない好酸球性血管性浮腫(NEAE)があります。日本においては好酸球性血管性浮腫(NEAE)が主で、若年女性(20~37歳)に多いのが特徴です。血管性浮腫、蕁麻疹、IgM増加、発熱などを呈する。ステロイドに良く反応し良好な経過をたどる。自然寛解もります。好酸球性血管性浮腫以外にも激しい運動や外傷をきっかけに、急速に四肢に対称性有痛性の筋膜炎が生じ発赤腫脹し、病初期に末梢血の好酸球が増加する好酸球性筋膜炎や頭頸部皮下の巨大(5~10cm)な良性の好酸球性肉芽腫で、東アジアの若い男性に多い。木村病より大きさの小さい好酸球性血管リンパ球増殖症は、人種差なく皮膚表面に近くに発生する木村病(木村哲二に由来)があります。

好酸球(こうさんきゅう)の働き、特徴、アレルギーに関与|血液細胞/食と健康の総合サイト e840.net

 

気管支喘息などのアレルギー性疾患では,白血球の1つである好酸球が骨髄,末梢血および炎症部位で増加し,炎症部位に浸潤した好酸球は細胞内顆粒を放出することによって組織を傷害すると考えられてきた.しかし,最近,炎症部位に浸潤した好酸球は,炎症の誘発ではなく気道リモデリングに関与しているのではないかということが示唆され,病態形成における好酸球の役割に対する認識は変化しつつある.本稿では,最近の知見をふまえ,アレルギー性炎症における好酸球増多機構と炎症部位での好酸球の役割について述べる.

アレルギー性炎症における好酸球の役割/日本薬理学雑誌

 

レルギーが原因で起こる「好酸球副鼻腔炎」とは
更新日2017年2月22日
解説いただいた専門家
野中
東京女子医科大学 教授(耳鼻咽喉科
野中 学(のなか・まなぶ)
好酸球副鼻腔炎

好酸球副鼻腔炎
好酸球副鼻腔炎は2015年の3月に指定難病として認定された病気です。慢性副鼻腔炎にはいろいろなタイプがありますが、この好酸球副鼻腔炎は、慢性化のう性副鼻腔炎と比べて治りにくいとされています。
好酸球」とは、白血球の一種で、アレルギーの病気を起こした時に増える細胞です。アレルギーが原因で副鼻腔に炎症が起こり、この好酸球が副鼻腔にたくさん集まった場合を好酸球副鼻腔炎と言います。
症状としては、のりのような粘り気のある鼻水が出ます。また多くは、においを感じる細胞がある場所の近くにある副鼻腔を中心に炎症を起こすので、しばしば嗅覚障害を起こします。
さらに、鼻たけと呼ばれる鼻ポリープが多発します。鼻たけが大きくなったり、多発したりすると、鼻で呼吸することが困難になります。この鼻たけは正常な鼻・副鼻腔の粘膜が腫れ上がったものなので、がん化するおそれはありませんが、手術で切除してもしばしば再発します。

アレルギーが原因で起こる「好酸球性副鼻腔炎」とは|NHK健康ch

 


時下、先生におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、来る 10 月 21 日(土)学術総合センターにおきましてアレルギー・好酸球研究会2017 を開催する運びとなりました。
つきましては、口演発表としての一般演題を『アレルギー・好酸球に関する自由演題』として、広く募集させて頂きたく存じます。昨年同様、研究会ホームページ上で演題の申込みを開始いたします。下記要領にて奮ってご応募下さいますようご案内申し上げます。

2017年6月 吉日

アレルギー・好酸球研究会 - A Workshop on Eosinophils in Allergy and Related Diseases -

 

参考にしたwiki系サイト

好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)は、白血球の一種である顆粒球の1つである。正常な末梢血でみられるのは成熟型で、普通染色標本でみると、エオジン親和性の橙黄色に染まる均質・粗大な顆粒(好酸性顆粒)が細胞質に充満し、核は通常2分葉で細いクロマチン糸でつながれ細胞周縁に偏在し、細胞の大きさは好中球に比べてやや大きく、直径10~15μm。肥満細胞から出されるIL-5によって活性化する。
好酸球数は白血球の0.5~13%を占める。
機能[編集]
アレルギー反応の制御を行なう。I型アレルギーで増加し、ヒスタミンを不活性化する。弱い貪食能力を持つ。
I型アレルギー、寄生虫の感染などで増殖する。
好酸球に含まれる顆粒[編集]
1. 晶質体 (crystalloid body)を含む顆粒。結晶状の構造が電子顕微鏡で観察される。この顆粒は主に以下の4つのタンパク質を含んでいる。
major basic protein (MBP)
eosinophil cationic protein (ECP)
eosinophil peroxidase (EPO)
eosinophil-derived neurotoxin (EDN)
この中で、MBP, ECP , EPOは 原生動物と蠕虫類に対して細胞毒性を持っており、こうした生物の神経系を働かなくする。
また、histaminaseはヒスタミンの働きを中和し、arylsulfataseは好塩基球から分泌されたロイコトリエンを中和する。
2. アズール体 lysozymeを含み、取り込まれた異物を分解する。

好酸球 - Wikipedia

 

血液中の好酸球が増加するのは何が原因なのでしょうか?

どのようなメカニズムで増加し

増加した好酸球はどのような働きをしているのでしょうか?
補足
ど素人の私にも簡単にわかりやすい説明で回答して頂けると助かります^^

宜しくお願いします<m(__)m>

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candis_white_ardleyさん 2011/6/600:43:38
こんにちは。
好酸球寄生虫感染、アレルギー反応(IgE)、腫瘍(慢性骨髄性白血病やホジキンリンパ腫)などで特異的にTリンパ球からインターロイキン5(IL-5)というサイトカインが産生されることによって骨髄内で造血が促進されます。

好酸球は細菌、真菌その他を貪食し細胞内に取り込む殺菌作用を持ってます。
顆粒は空胞と融合して、その内容を空胞の中に放出する他、寄生虫など自分より大きなものに付着したときには顆粒の内容物を細胞外に放出します。寄生虫に付着したのちには抗体と補体の働きを介して殺作用を現します。
いずれにしても寄生虫に付着した好酸球は顆粒の毒性ある内容物をじかに標的に向かって放出します。

先に述べたインターロイキン5は、好酸球の産生の他に、その寿命を延ばして活性酸素を用いた殺菌能、遊走能を高めます。
なお、こうした作用を持つサイトカインはIL-5の他に、GM-CSFやIL-3にもあります。

好酸球の作用にはまた過敏性反応に対してのヒスタミンの中和、肥満細胞の脱顆粒の防止を、プロスタグランジンE1とE2の作用で行ってる大切な役割もあります。

血液中の好酸球が増加するのは何が原因なのでしょうか?どの... - Yahoo!知恵袋

 

好酸球を減らすサプリを紹介

インターフェロン-γとアレルギー症状の関係について基礎から分かりやすく解説

この記事では、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状に関係する体内分泌物質の『インターフェロン-γ』について、医療系情報サイトを参考に、アレルギー症状に関してどんな働きをするのか、といったことを分かりやすく解説していきます。

【関連用語】

Th1細胞

サイトカイン

インターフェロン-γとは

どんな時生成される?

どんな働きをする?

増えるとどうなる?

減るとどうなる?

どんな病気に関係する?

 


参考にした医療関係サイト

インターフェロン (IFN) は、生体内でのウイルスや病原体、腫瘍細胞といった異物の侵入に応答して産生されます。
ウイルス増殖を抑制する因子として発見されたことから、ウイルス干渉因子 (Interference Factor) としてInterferonと名
づけられました。
IFNは主にIFN-α, -β, -ω, -ε, -κ, -τ及びLimitinから成るI型IFN、 IFN-γのII型IFN、 IFN-λ1 (IL-29) , IFN-λ2
(IL-28A) , IFN-λ3 (IL-28B) , IL-22, IL-24, IL-26から成るIFN-λサブファミリー、そしてIL-10, IL-19, IL-20から成るIL-10フ
ァミリーに分類されます。
 各タイプのIFNは異なるタイプの受容体を利用します。 I型IFNはIFNAR1とIFNAR2のヘテロ受容体に結合し、それ
ぞれの受容体に会合するJAK1とTyk2のりん酸化を引き起こします。 II型IFNはIFNGR1が結合に関与し、共局在す
るIFNGR2がシグナル伝達の役割を果たし、 IFNがIFNGR1に結合するとIFNGR2に会合するJAK1/2のりん酸化が引
き起こされます。 IFN-λサブファミリーはII型サイトカイン受容体構造のIL-28/29受容体に結合し、 IFN-λサブファミリ
ーの結合によりJAK1の活性化を引き起こし、 IL-10ファミリーはIL-10Rβ、 IL-20R等から成るI型サイトカイン受容体
構造を持ち、ヘテロ二量体型受容体としてJAK1やTyk2のりん酸化を引き起こします。
IFNはウイルス2本鎖RNAやLPSによるTLRs (Toll Like Receptors) による刺激や、 IL-1, IL-2, IL-12, TNFやコロニー刺
激因子など、生体への異物侵入時に産生されるサイトカインによる刺激によって誘導されます。 IFNは前述のような
受容体との相互作用を介して抗ウイルス作用 (抗ウイルスタンパク質酵素産生)、腫瘍増殖抑制作用やマクロファ
ージを活性化して免疫活性を制御する作用を発現します。

インターフェロン和光純薬工業コーポレートサイト

 

インターフェロンγ(IFNγ)は、活性化Tリンパ球およびNK細胞によって産生され、ほぼ全ての免疫応答や炎症応答に関与する分子量20-25kDa(モノマーの状態)の多指向性サイトカインです。IFNγは、T細胞、B細胞、マクロファージ、NK細胞の他、様々な細胞種の活性化、増殖、分化に関与しています。IFNγは、上皮細胞、内皮細胞、結合組織の細胞や単球系細胞株などの抗原提示細胞のMHC発現を増強します。弱いながらも抗ウィルス活性を示し、腫瘍細胞に対する細胞障害ではマクロファージ活性化因子(MAF)として働き、抗腫瘍効果をもたらします。

抗ヒトnon-CD抗体 IFN-γ | サイトメトリードットコム

 

免疫調節や抗ウイルス作用など様々な活性を示すサイトカインの一種
特集:インターフェロン(Interferon)とは
カテゴリから探す > 生理活性物質 > サイトカイン/増殖因子
カテゴリから探す > 特集 > 研究ターゲット
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背景
インターフェロン(IFN)とは?

インターフェロン(IFN:Interferon)とは、哺乳動物におけるサイトカインファミリーの一種で、当初はウイルス感染を抑制する因子として同定されました。この抗ウイルス特性に加えて、現在までに、増殖抑制、免疫調節および他の多くの活性を示すことが明らかとなっています。
分類
インターフェロンは、タンパク質構造および受容体複合体の認識に基づき、I型、II型、III型に分類されます。
I型インターフェロン
哺乳動物のI型インターフェロンはさらに、IFN-α、IFN-β、IFN-δ、IFN-ε、IFN-κ、IFN-ω、IFN-υ、IFN-τ、IFN-ζ を含む9種類以上の異なるクラスで構成されます。ヒトでは、IFN-α、IFN-β、IFN-ε、IFN-κ、IFN-ω、IFN-υ が見つかっている一方、 IFN-δ、IFN-τ、IFN-ζ は見られません。これらI型インターフェロンは、2つの受容体鎖で構成されるI型受容体(IFNAR1とIFNAR2)に結合します。I型インターフェロンは、通常、多くのウイルスやいくつかの病原体に応答して、マクロファージ、好中球、樹状細胞および他の体細胞から産生されます。
IFN-α は、ヒトではアミノ酸配列が85% 以上相同なタンパク質のグループから構成されます。ヒトのIFN-αは、N-グリコシル化されており、少数のIFN-α種ではO-グリコシル化されています。一方、マウスでは、ほぼ全てのIFN- α種がN-グリコシル化されています。
IFN-β は、ウイルスの攻撃に応答して種々の細胞によって産生され、天然型ヒトIFN-βは、単一のN-グリコシル化部位を有します。他のI型インターフェロンは、現在までIFN-αおよびIFN-βのようには大規模な研究がなされていません。
II型インターフェロン
ヒトII型インターフェロンは、IFN-γ遺伝子のみからなります。IFN-γは、IFNGR1(IFN-γR1)鎖とIFNGR2(IFN-γR2)鎖からなるII型受容体に結合します。IFN-γは、T細胞やNK細胞などの免疫系細胞で産生されます。IFN-γは、哺乳動物細胞においてグリコシル化され、ホモ二量体として機能します。IFN-γは抗ウイルス活性が弱く、マスベースではIFN-αとIFN- β の方がより強力な抗ウイルス活性を示します。
インターフェロン(Interferon)
シグナル伝達経路
多くの場合、I型インターフェロン発現は、Toll様受容体(TLR)によって誘導されます。自然免疫系は、TLR受容体を介して「非自己」を認識する能力を進化させました。例えば、TLR3は二本鎖RNA 、TLR4はリポ多糖、TLR9はメチル化CpG DNAモチーフに応答します。TLR活性化細胞により産生されるインターフェロンは、オートクラインまたはパラクライン様式で作用します。インターフェロンが受容体に作用すると、細胞内で速やかにシグナルが伝達し、抗ウイルス状態を生成します。I型インターフェロンは、シグナル伝達カスケードとして JAK1-STAT 経路を活性化します。この経路では、ウイルス感染細胞を防御する種々の遺伝子((2’-5’) オリゴアデニル酸合成酵素、Mx タンパク質、タンパク質キナーゼ R (PKR)など)の発現上昇を誘導します。
複数のIFN-αサブタイプを含めて、なぜこれほど多くの異なるI型インターフェロンが存在するのかは、まだ明らかにされていません。種々の研究によって、それらが重複した機能を持つとともに生物学的活性のユニークなセットを有することが示唆されています。I型インターフェロンはまた、免疫調節の役割を果たしている可能性が明らかにされています。対照的に、II型インターフェロンのIFN- γは、自然免疫応答における役割は少なく、主な役割は適応免疫の活性化にあります。
III型インターフェロン
III型インターフェロンは、IFN-λ1(IL-29)、IFN-λ2(IL-28A)、IFN-λ3(IL-28B)の三種類からなり、新規のクラスIIサイトカイン受容体リガンドとして同定されました。IL-10ファミリーと(11-13% アミノ酸配列相同性)、I型IFNファミリー(15-19%アミノ酸配列相同性)の遠縁です。これら3つのサイトカインは、抗ウイルス活性とMHCクラスI抗原発現の上方制御を含め、I型インターフェロンと重複する生物活性を示します。3種類のタンパク質は、同じヘテロ二量体受容体複合体(IL-10 受容体β (IL-10Rβ) および IL-28 受容体 α (IL-28Rα/IFN-λ R1))を介してシグナルを伝達します。受容体複合体に結合したリガンドは、 JAK活性化およびSTAT1 / STAT2のチロシンリン酸化を誘導します。リン酸化されたSTAT1およびSTAT2は、IIFN-regulatory factor 9(IRF-9) と結合し、IFN-stimulated regulatory factor 3(ISGF-3)転写因子複合体を形成し、核へ移行します。遺伝子ノックダウン研究において(Ank et al.2006. J. Interferon Cytokine Res. 26:373; Ank et al. 2008. J. Immunol. 180:2474)において、III型インターフェロンによるシグナル伝達機構は、I型インターフェロンのシグナル経路を標的化する病原体に対抗するために保存されている可能性が示唆されています。

特集:インターフェロン(Interferon)とは | 免疫調節や抗ウイルス作用など様々な活性を示すサイトカインの一種 | コスモ・バイオ株式会社

 

インターフェロンのシグナルダイナミズムとその生体防御系における調節作用

相互に関与しあうⅠ型とⅡ型のインターフェロン

インターフェロンは,生体防御に作用しているタンパク質である。 しかし,その効果についての分子メカニズムはまだ十分に解明されていない。 谷口維紹教授の研究室では,インターフェロンの産生やシグナル伝達の解析を行っており,なかでも私は,特にインターフェロンの生体防御システムのメカニズムを解析し,その役割を明らかにすることを目的としている。

インターフェロンには大きく分けてⅠ型(IFN-α/β)とⅡ型(IFN-γ)の2種類が存在する。 なかでもIFN-α/βは,すでに感染症やガン,自己免疫疾患における臨床応用がもっとも進んでいることでも知られる。 IFN-α/βとIFN-γは,それぞれ受容体は異なるものの,いずれも細胞膜にシグナルが伝わることにより,さまざまな遺伝子が発現するシグナル伝達を行う。 ウイルスによる感染症などに対する免疫応答系において,IFN-α/βの受容体 はIFNAR-1とIFNAR-2,IFN-γの受容体はIFNGR-1とIFNGR-2の各々2つのサブユニットから構成されていることが知られている。 これまで,それぞれの伝達のメカニズムは独立したものと考えられてきたが,最近の研究で,相互に影響を与えあっている(クロストーク)ことが分かってきた。 IFNAR-1欠損マウス細胞を使ったIFN-γによる応答性を,抗ウイルス活性で検討した結果,野生型マウス細胞に比べ,IFN-γの活性が低下した。 また,IFN-βを欠損した細胞でも,IFN-γの活性は弱くなった。 つまり,Ⅰ型のIFNからⅡ型のIFNに対し,シグナル増強をもたらす,構成的な調節機構が存在していると考えられる。

また,別の実験では,従来,ウイルス感染細胞でだけ産生されると考えられていたインターフェロンが,正常細胞においても微量に産生されていることが分かり,さらにはⅠ型だけが誘導されていた。 これは,生体防御系のシグナル伝達が常に増幅していることを示し,ウイルスとの反応により増強するのである。 こうした現象は,車のエンジンにたとえると分かりやすい。 車を急発進させる時,エンジンを普通に回転させているだけの場合と,エンジンをふかしている状態からの発進では,後者の状態からのほうが早く発進できる。 そのため,私たちはこのインターフェロンの微量産生モデルをレビングアップ(Revving-up)モデルと呼んでいる。 このように弱いシグナルが強いシグナルをダイナミックに調節している機構は特に自然免疫システムをはじめとする迅速でかつ強力なシグナルを必要とする生体防御系において重要な役割を担っていると考えられる。

分子生体防御分野 - インターフェロンのシグナルダイナミズムとその生体防御系における調節作用

 

ここまでに、IFN-γがHSCが増殖し、遊走するのに必要で十分であることがわかりました。IFN-γ欠損マウスの骨髄に存在するLT-HSCは正常なマウスと同様です。しかし、IFN-γ欠損マウス由来のHSCは、非感染状態であっても増殖速度が遅く、数も正常マウスの半分程度しか存在しません。これよりIFN-γは、感染の有無に関わらず、HSC活性を調節しているものと考えられます。

このようにBaldridgeらは、HSCを強く刺激し、「増殖」や「移動」をさせるのはIFN-γであることを、M.aviumに感染したマウスを使って明らかにしました。

 

造血幹細胞は、インターフェロンγによって活性化される - 世界の幹細胞(関連)論文紹介 - 慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点

 

参考にしたwiki系サイト

インターフェロン
英訳・(英)同義/類義語:Interferon-gamma, IFN-gamma

ヘルパーT細胞が分泌するインターロイキンの一種で、B細胞やマクロファージを活性化するタンパク質。MHC遺伝子を活性化し、細胞障害性T細胞による感染細胞の認識を助ける。

 インターフェロン-γとは - 生物学用語 Weblio辞書

 

インターフェロン(英: Interferon、略号:IFN)とは動物体内で病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌する蛋白質のこと。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをするサイトカインの一種である。
医薬品としては、ウイルス性肝炎等の抗ウイルス薬として、多発性骨髄腫等の抗がん剤として用いられている。

インターフェロン - Wikipedia

 

インターフェロン・ガンマ(生物学的応答調節剤)
商品名(製造・販売会社)

イムノマックス-γ(塩野義製薬
オーガンマ(大塚製薬
ビオガンマ(第一アスビオファー)
インターフェロン・ガンマはTリンパ球によって生産される生物学的応答調節物質です。ほかのインターフェロンとは異なり、マクロファージを活性化する能力を持ちます。


適応となるがん
腎臓がん、成人T細胞白血病、菌状息肉症(悪性リンパ腫

主な副作用
発熱や悪寒、頭痛、倦怠感などインフルエンザに似た症状が現れます。ほかに骨髄抑制、貧血やめまい、食欲不振、脱毛、下血などの一般的な副作用もみられます。まれにですが、間質性肺炎などの呼吸器の障害、肝臓障害、免疫異常による関節リウマチや糖尿病の恐れもあります。

使用上の注意点
小柴胡湯(しょうさいことう:肝炎などに使用される漢方薬)との併用で間質性肺炎になるリスクが高くなるとされています。腎臓や肝臓に障害のある人は投与に注意が必要です。

インターフェロン・ガンマの特徴と副作用

 

 

[Interferon(INF)-γ]

主にTh1細胞から産生されるサイトカインの一つであり、強力なマクロファージ活性化作用を持つ。インターフェロン-γの情報伝達経路に遺伝的疾患を持つ個人は、抗酸菌感染に対し非常に感受性が高まることが知られており、インターフェロン-γは抗酸菌感染から発症を防御する極めて重要なサイトカインである。

新結核用語事典・インターフェロンγ

インターフェロン-γを減らすサプリを紹介